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インキュベーションの虚と実

お行儀が良すぎる今の起業家へ送る至極の提言!
「現実歪曲空間を放ち、圧倒的世界一を狙え!」
——国光宏尚(gumi社長)×小林清剛(前ノボット社長)×宮澤弦(ヤフー検索事業責任者)鼎談

本荘修二 [新事業コンサルタント]
【第37回・最終回】 2013年10月21日
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左から宮澤弦氏、小林清剛氏、国光宏尚氏 Photo:DOL

今の起業家には、何が足りないのか。日本のスタートアップ・エコシステムを活性化し、世界をあっと言わせるスタートアップを輩出するには、何が必要なのか――。この問いは本連載で追求してきたテーマである。本連載は今回をもって終了することになった。その最後を飾る本稿は、今注目の3人の起業家たちの鼎談をお送りする。起業の酸いも甘いも経験し、苦労を重ねて今に至る3人の言葉は、説得力と重みがある。これらはスタートアップ・エコシステムに直接関わりのないビジネスパーソンにとっても、ためになる言葉に違いない。

「こんなのあったら便利」
という発想は捨ててしまえ

筆者 このところスタートアップの小粒さが目立つ。これは多くの関係者が言う事だ。どうすればよいと思う?

国光 ビジネスモデルの考え方が悪いんだと思う。身近なニーズ、「こんなのあったら便利」というような発想を止めた方がいい。起業家はフレームワークを考えるべきで、それは大きく言って3つある。「秀才型」「天才型」「研究型」だ。

 起業の素人は「秀才型」でやったらいい。既にある大きな市場をテクノロジーで変えるというもの。例えばゲームの世界はスマートフォンとタブレットで変わった。書店で言えばAmazon。百貨店なら楽天。それからスティーブ・ジョブズはネット端末で通話もできる端末を作って、他の企業とサービス連携して、携帯電話の世界を変えた。電気自動車も新技術で市場を変えようとしている。これから秀才型で起業するならテレビや病院、学校を作り変えるというのがあるんじゃないかな。

 「天才型」は、「未来はこうなる」と言って、そこから逆算してビジネスを創る。「研究型」はアルゴリズムとか遺伝子とか研究しているとこから出てくる。

小林 「天才型」は将来何が当たり前になるかを予測する人のことですよね。僕もスマホは必ず流行ると信じてノボットをやった。当時は、スマホは絶対に流行らない、日本では売れないと言われていたけど、今じゃ当たり前になっている。代表的な「天才型」のイーロン・マスクは、将来を予測して、10年くらい前からテスラやスペースXを仕込んでいた。

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本荘修二 [新事業コンサルタント]

多摩大学客員教授、早稲田大学学術博士(国際経営)。ボストン・コンサルティング・グループ、米CSC、CSK/セガ・グループ会長付、ジェネラルアトランティック日本代表を経て、現在は本荘事務所代表。500 Startups、NetService Ventures Groupほか日米企業のアドバイザーでもある。


インキュベーションの虚と実

今、アメリカでは“スタートアップ”と呼ばれる、ベンチャー企業が次々と生まれている。なぜなら、そうした勢いある起業家たちを育てる土壌が整っており、インキュベーターも多く、なにより、チャレンジを支援する仕組みが存在するからだ。一方の日本はどうなのだろうか。日米のベンチャー界の環境の変化や最新のトレンドについて、25年にわたってベンチャー界に身を置いてきた本荘修二氏が解説する。また日本でベンチャーが育ちにくいと言われる背景を明らかにし、改善するための処方箋も提示する。

「インキュベーションの虚と実」

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