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インキュベーションの虚と実

ベンチャーキャピタリスト覆面座談会
起業家も投資家もレベルを上げねば未来はない

本荘修二 [新事業コンサルタント]
【第36回】 2013年9月30日
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本連載では、これまでなかなか指摘されてこなかったタブー的な論点にも、切り込んできた。今回は、そうした課題について、さらに切り込むために、気鋭のベンチャーキャピタリスト3名に集まっていただいた。毎日のように接している起業家に対して、また同業のベンチャーキャピタリストやアクセラレーター、メンターなどスタートアップ・エコシステムを構成する面々に対して、普段思っていても決して口にできない本音を語っていただいた。誤解のないようにあらかじめ言っておくが、あくまで登場の3名は、日本のスタートアップ・エコシステムが少しでも良いものになるためには、どうすればいいかを日々考えている人々だ。各々の発言は、そういった視点から発せられた言葉だと捉えていただきたい。自らの利益だけを考えていたり、ライバルを貶めるようなことを考えていたりするわけでは、決してない。

Aさん:事業会社系ベンチャーキャピタル
Bさん:金融機関系のベンチャーキャピタリスト
Cさん:国際派のベンチャーキャピタリスト

嫌いな人には投資しない
いっしょにやろうと思えるかが決め手

筆者 どのような起業家、スタートアップに投資するのか。どのように見極めている?

A 長い時間いっしょに仕事するわけでしょ。顔と声が嫌なやつには投資しない(笑)。そいつのために「何かやってやろう」と思える起業家に投資する。

B オーラが出ますよね、起業家それぞれ。

C 共同投資でも、この人(投資家)といっしょにできないなという場合は、やらない。

B たまに知識や実績がない、聞いた事もないようなベンチャーキャピタリストとがっちり組んでいる起業家がいる。でも、そういう名もない投資家しかカネを出してくれないということは、その会社はだめだということ。

筆者 「顧問です」とか言って、起業家に誰かついてくることがあるけど、経験ない? 

A もう、その瞬間にアウト(笑)。一生懸命プレゼンしてくるんだけど、「それ、だれが考えたんですか? 起業家のあなたが考えたプランですか?」って、疑って見ちゃう。顧問が経営するわけじゃないんだから。

B 「顧問です」を連れてくる起業家って、だいたい騙されている。騙される方も騙される方。でもびっくりするのは、そういう変な顧問がくっついている起業家に、絡みたい投資家がいるっていうこと。

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本荘修二 [新事業コンサルタント]

多摩大学客員教授、早稲田大学学術博士(国際経営)。ボストン・コンサルティング・グループ、米CSC、CSK/セガ・グループ会長付、ジェネラルアトランティック日本代表を経て、現在は本荘事務所代表。500 Startups、NetService Ventures Groupほか日米企業のアドバイザーでもある。


インキュベーションの虚と実

今、アメリカでは“スタートアップ”と呼ばれる、ベンチャー企業が次々と生まれている。なぜなら、そうした勢いある起業家たちを育てる土壌が整っており、インキュベーターも多く、なにより、チャレンジを支援する仕組みが存在するからだ。一方の日本はどうなのだろうか。日米のベンチャー界の環境の変化や最新のトレンドについて、25年にわたってベンチャー界に身を置いてきた本荘修二氏が解説する。また日本でベンチャーが育ちにくいと言われる背景を明らかにし、改善するための処方箋も提示する。

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