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【技術の新潮流と企業経営】
テクノロジーの“巨大なうねり”が経営を変える

内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]
【第4回】 2013年10月22日
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ソーシャル、モバイル、クラウドは最近のIT業界の流行り言葉のように捉えられているが、これらのIT技術の巨大なうねりは、実際に顧客や市場を変容させる潜在力を持っている。企業は、こうした技術の新潮流をビジネス価値に転換し、新たな競争優位性を創造していかなければならない。

「グランズウェル」
=技術の巨大なうねりとは

 国内市場の閉塞感、世界経済の不透明感、急速に台頭する新興国、市場のグローバル化、世界的な人口構造のシフトなどを背景として、多くの国内企業を取り巻くビジネス環境は劇的な変化の渦中にある。もはや従来の戦略の延長線上に成長や成功の鍵は存在せず、これまでの常識や成功体験に囚われていては、これらを掌中に収めることはできない。

 企業にはこれまでと異なる顧客価値の創造や新たな競争優位性の獲得が急務となっており、あらゆる業種のあらゆる規模の企業において大きな戦略転換が求められている。

 こうした経済や社会の大きなうねりと同時に、ITを取り巻く技術の新潮流が巻き起こっており、我々はこれをグランズウェル(巨大なうねり)と呼んでいる。現時点において注目すべき巨大なうねりとなるテクノロジーには、スマート・モバイルデバイス、クラウド・コンピューティング・サービス、ソーシャル・テクノロジーなどがあげられる【図表1】

 「スマート・モバイルデバイス」とは、PDA(携帯情報端末)と携帯電話の機能を併せ持つ「スマートフォン」と、その発展形として誕生し、ディスプレイ・サイズが拡張された「タブレット」の2種類の端末を指している。スマート・モバイルデバイスを用いれば、どんな場所でも連絡を取り合うことができるだけでなく、日常のあらゆる場面で情報の受発信が可能となる。

 クラウド・コンピューティングとは、ネットワークという「雲(クラウド)」の向こう側から種々のサービスが提供され、ユーザーからは、サーバの設置場所、台数、構成、ネットワーク環境を意識することなく、単にサービスを受け取っているようなイメージで利用できる環境を指している。クラウド・コンピューティングでは、最低限の接続環境さえ整えばインターネット経由で最新のアプリケーション・サービスやITリソースを利用できる。

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内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。現在は大手ユーザー企業のIT戦略立案・実行のアドバイスおよびコンサルティングを提供する。


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日々進化するIT技術をどうやって経営にいかしていくか。この課題を、独立系ITアナリストが事例を交えて再検証する。クラウド、セキュリティ、仮想化、ビッグデータ、デジタルマーケティング、グローバル業務基盤…。毎回テーマを決め、技術視点でなく経営者の視点で解き明かす。

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