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【マーケティングとIT】
ソーシャル時代の顧客と、企業はどう向き合うべきか

内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]
【第2回】 2013年9月19日
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ツイッターやフェイスブックに代表されるソーシャルメディアが、企業のマーケティングや顧客戦略に大きな転換を迫っている。企業は、この巨大なうねりに飲み込まれることなく、逆に活用して、社会・市場・顧客との関係性において新たな枠組みを構築しなければならない。

ソーシャルテクノロジーが
企業と顧客の関係を変える

 まず、企業と顧客の関係の変化を顕著に示す2つの有名な事象を紹介したい。

【事例1】
 無名の歌手デイブ・キャロル氏は、ツアーに向かう航空機で受託手荷物として預けたギターをユナイテッド航空の手荷物処理請負業者に乱暴に扱われて壊されてしまった。

 修理代金を請求したが、たらい回しにされたあげく支払いを拒まれたデイブは、「United Breaks Guitars」を作曲しユーチューブに投稿した。これが話題となり、CNNのニュースで取り上げられたり、トーク番組に出演するなど一躍時の人となる。この投稿の視聴回数は現在1000万回を超えている。

 公開後、ツイッターなどのソーシャルメディアではユナイテッド航空に関するコメントが急増し、広報部にはおよそ半年にわたり、連日この件に関する問い合わせが寄せられたという。

【事例2】
 頑丈さが売りのクリプトナイト社(Kryptonite)のバイク用錠前を、ボールペン1本で簡単に開けられる映像がYouTubeに投稿されたが、同社は当初単なるクレーム好きの変わり者の仕業として無視していた。

 しかしその後、これを真似た動画投稿が相次ぎ、同社の売上に大きな打撃を与えることとなった。今に至っても、ユーチューブで“Unlock Kryptonite Lock”をキーワードとして検索すると同様の映像が1万件以上ヒットし、多いものは40万回以上再生されている。

 これらは、CGM(Consumer Generated Media:消費者が生み出すメディア)の脅威を世に知らしめた象徴的なできごとといえる。

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内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。現在は大手ユーザー企業のIT戦略立案・実行のアドバイスおよびコンサルティングを提供する。


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