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今週の音盤=心のビタミン ビジネス・パーソンのための音楽案内

【エルトン・ジョン「ザ・ダイヴィング・ボード」】
66歳の男が赤心で音楽を創り、そして歌う

小栗勘太郎 [音楽愛好家]
【第71回】 2013年10月31日
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 世の中には男性と女性しかいません。

 だから、男女の仲にまつわることは、常に万人にとって興味津々です。では、世の女性が男性に惹かれる時、それは男性の何に魅力を感じているのでしょうか?

 美しさや逞しさかもしれません。本能的にオスとしての能力の高さに惹かれる場合もあるでしょう。ところが、場合によっては、虚弱、軟弱、ひ弱で社会的にもどうしようもないのに、大変もてる場合もあります。ようするに男女の仲のことは他者には分からないのかもしれません。が、とてつもない才能が宿っている男には、女性に強烈にアピールするサムシングがあるようです。もちろん、そんな凄い才能を持つ男の側の好みはまたとても個性的だったりするでしょう。

 では、その才能の賞味期限は一体どれくらいの期間続くのでしょうか?

 芸術、スポーツ、学問、ビジネス等々の様々な世界では、日々新しい才能が生まれています。一瞬の光芒の如く太く短く強烈な印象を残す巨大な才能の爆発というものがあります。例えば、ランボーは20歳になる頃には詩人を辞め、砂漠の商人になっていました。

 一方、常に第一線で輝き続ける耐久力のある才能というものがあります。

 と、いうわけで、今週の音盤は、エルトン・ジョンの最新作「ザ・ダイヴィング・ボード」(写真)です。

何が彼を天才たらしめたか?

 結論から先に言います。エルトン・ジョンは、現代のポップミュージックが生んだ偉大なる天才の一人です。

 そう断言するには幾つかの理由があります。が、最大の理由は、エルトン・ジョンの歌創りに関する才能の若々しさです。

 若々しさとは、真っ白なキャンパスに何らの制約なく、自由に絵を描く時のあの感じに似ています。手練手管の老獪な技法とは無縁です。心の奥底から湧き上る衝動を、ただただ自分らしく曲に創り込み歌うのです。そうすれば、誰にも似ていない世界が自然に出現します。それは、未だ見ぬ将来に対する無垢なる歓喜のことです。エルトンの歌には、成熟とは無縁の若々しさが溢れています。それこそ、輝き続ける才能の正体です。

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小栗勘太郎 [音楽愛好家]

1958年生まれ、牡羊座のB型。某国立大学卒、米国滞在5年。公僕を生業とする音楽愛好家。著書は『音楽ダイアリーsideA』 『同sideB』(西日本新聞社)。『毎日フォーラム』誌にて「歴史の中の音楽」を連載中。


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ビジネス・パーソンは日夜、現場で闘って、日々、喜怒哀楽を感じる。実は音楽の現場も同じだ。だって、音楽もビジネスも、所詮、生身の人間が作る、極めて人間くさい営みだから。音楽には妙な薀蓄など不要かもしれないが、音楽が生まれる時には物語がある。それを知って聴けば、喜びが倍になり、悲しみが半分になるかもしれない。毎週1枚、心のビタミンになるような音盤を綴ります。

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