ダイヤモンド社のビジネス情報サイト

幼少期の性的虐待で30代女性がPTSD発症
20年で損害賠償請求権は消滅してしまうのか

池上正樹 [ジャーナリスト]
2013年12月5日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 子どもの頃、自分が何をされたかわからないうちに受けた性的虐待は、いくつになったら認識できるのだろう。

 幼いうちに発症したPTSD(心的外傷ストレス障害)などの精神的症状と、性的虐待などとのつながりを自覚するまでには、いったいどれくらいの時間がかかるのだろうか。

 そんな2つの“つながり”を巡る訴訟が、いま行われている。
 訴えを起こしている被害者は、北海道に住む30代の女性。

 3歳10ヵ月から8歳10ヵ月までの5年間にわたり、当時30歳代の親族の男性から繰り返し受けた性的虐待によって、PTSD(心的外傷ストレス障害)などを発症。2年前にPTSDであることを知った女性が、最後の被害を受けてから20年以上経過した2011年4月に、加害者である60歳代の男性を提訴した。

 しかし、釧路地裁の河本昌子裁判長は今年4月、男性による性的虐待行為や姦淫行為の事実を認め、PTSDなどとの因果関係も肯定しながら「すでに20年の除斥期間が経過している」として、訴えを却下した。

 女性は9月6日、親族の男性に対して1審の請求額を上回る4100万円余りの損害賠償を求めて札幌高裁に控訴。5日に開かれる第2回口頭弁論では、今後の証人尋問や証拠取り調べに対する判断が示される見込みだ。

30代親族男性(当時)が行った
あまりに酷い性的虐待の事実

 1審の判決が認定した被害事実の概要は、次の通り。

 1978年1月上旬、被告は祖父母宅において、当時3歳10ヵ月の原告に対し、体をなで回すなどの行為をした。

 以来、被告は祖父母宅において、毎年1月上旬と8月の2回、原告へのわいせつ行為を繰り返し、行為をだんだんとエスカレートさせていく。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


News&Analysis

刻々と動く、国内外の経済動向・業界情報・政治や時事など、注目のテーマを徹底取材し、独自に分析。内外のネットワークを駆使し、「今」を伝えるニュース&解説コーナー。

「News&Analysis」

⇒バックナンバー一覧