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サービスのイノベーションを阻むアナログ信仰の罠

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【第13回】 2013年12月9日
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ブライアン・
ブリッツ

ガートナー
リサーチ部門
バイス・
プレジデント

 これは私にとって、ガートナー・ブログへの初投稿となる。これから一緒に議論を楽しんでほしい。このブログでは、“アズ・ア・サービス”の時代に、サービスをどうとらえ直すかについて語っていきたい。

 私のアナリストとしての得意分野は外部サービス(ソーシング)だが、だからといってアウトソーシングのことばかり取り上げるつもりはない。今回は手初めに私流の例え話を紹介し、そこから、革新や変化に対して、組織が示す抵抗について考察したい。

伝統を踏襲したデザインがギタリストに好まれる理由

 ギタリストと企業の意思決定者との間には、多くの共通点があると思う。唐突な比較だが、少々お付き合いいただきたい。音楽に潜む数学性について述べるまでもなく、その確実な共通点の1つは、ギタリストは購買者として驚くほど保守的で、画期的なイノベーションに抵抗を示すということだ。

 こう聞いて、直感的に反発する人も少なくないだろう。ギタリストはクリエイティブで、寛容で、頭に浮かんだアイデアを表現するための新たな手法をたえず模索している。しかも、大勢の中に埋もれずに目立ちたいと思うタイプの人々のはずだ。

 しかし自らの目的を達成するためのツール――すなわちギターを手に入れる時は、その限りではない。参考までに、世界のギター産業の市場規模はたかだか年間10億ドル弱と推計されている。

エレキギターにまつわる歴史は非常に興味をそそられるが、ここではあえて言及しない。ギターショップに足を運べば、店内にあるギターの大半が下の写真のような1950年代のビンテージギターのデザインを踏襲しているのが分かるだろう。

 ただし店に行って、未熟な腕前の若者たちが「天国への階段」や「クレイジー・トレイン」のイントロを大音量でかき鳴らすのを聴きたくないという方は、ウィキペディアから拝借した下の写真をご覧いただきたい。この2本と違うデザインのエレキギターを弾いているギタリストを見る機会がどれだけあるだろうか。

フェンダー社のストラトキャスター

ギブソン社のレスポール

 さらに興味深いことに、ギターを購入する人々の多くは、伝統を踏襲することにプレミアムを見出し、最新鋭のギターに搭載されるカーボンファイバーなどの新素材や自動チューニングシステム、音程を完璧に合わせる特殊なフレット加工などのイノベーション、品質を一定に保つための最新の製造技術には関心がない。

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