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日本を元気にする企業の条件

不屈の闘志で
半導体製造装置をものにした
“ガス屋”大陽日酸の27年

原 英次郎 [週刊ダイヤモンド論説委員]
【第5回】 2010年1月8日
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 「社内では不屈の男と言われています。不遇の男とも呼ばれていましたけれど」。こう言って笑うのは、大陽日酸の山崎利明・化合物事業部長だ。「やっと来たな。長い冬が終わって、やっと春が来たなというのが、今の気持ちです」。

MOCVD(有機金属気相成長)装置はLED製造のキーマシン。写真は、大陽日酸の最新大型量産機「UR-25K」

 大陽日酸はLED(発光ダイオード)製造のキーマシンであるMOCVD(有機金属気相成長)装置の国内トップメーカー。山崎事業部長は当初から同装置の開発に携わってきたパイオニア的存在である。LEDの品質や生産能力にあたっては、MOCVD装置にノウハウが詰まっていると言われるほどである。

 いま意気消沈気味の日本のエレクトロニクス業界にあって、LEDは久々に注目されている大型製品である。LEDは半導体の一種で、電気を流すと発光する。「サムソンがLEDテレビを大々的にやり始めて、シャープ、ソニー、東芝がそれを追いかけ始めた。2000年に携帯電話のバックライトとしてドーンと市場が盛り上がって以来、9年が経って第2のブームが来るということで注目されている」(大和総研・大澤秀一産学連携調査部主任研究員)。大和総研の試算によれば、世界のLED市場は09年の約80億ドルが、10年には122億ドル、11年には152億ドルへと、急成長が見込まれている。

事業継続の危機を乗り越えて

 大陽日酸の本業は産業ガスの生産・供給で、国内首位を占める。そのガス会社が、なぜ半導体製造装置のひとつであるMOCVD装置を手掛けているのか。実は大陽日酸は、エレクトロニクス産業に不可欠な電子材料ガスの供給能力において、世界の3大サプライヤーなのである。ただ、今でこそ、株式市場でもスポットライトを浴びる同社のMOCVD装置だが、ここへ来るまでの道のりは決して、平坦なものではなかった。

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原 英次郎 [週刊ダイヤモンド論説委員]

1956年生まれ、佐賀県出身。慶應義塾大学経済学部卒。
1981年東洋経済新報社に入社。金融、証券、エレクトロニクスなどを担当。
1995年『月刊金融ビジネス』、2003年4月『東洋経済オンライン』、
2004年4月『会社四季報』、2005年4月『週刊東洋経済』の各編集長などを経て、2006年同社を退社。
2010年3月ダイヤモンド・オンライン客員論説委員、2011年10月編集長、2015年1月より現職。
主な著書に『銀行が変わる?!』(こう書房)、『素人のための決算書読解術』(東洋経済新報社)。

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