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コミケは大企業も注目する日本屈指のイベントに成長
そこへ「ディズニーが公式出展」する意義と影響は

小山友介 [芝浦工業大学システム理工学部教授]
【第47回】 2013年12月27日
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マイクロソフト、サンリオ、
サントリー…大企業が続々参入

 ディズニーランドがカリフォルニア州アナハイムにオープンしたのが1955年であることから分かるように、ディズニーは昔から、ファンが自分たちの作品世界を実際に体験できることをとても重視している。そういった体験の場があることで単なるファンが熱心なファンへとステップアップし、長くつきあってくれることを知っているからである。

 米国では2年に一度、ディズニーファン向けのコンベンションを行っている。コンベンションでは様々な企画展示やショップでのグッズ販売、新作のプレゼンテーションなどが行われ、ファンにとっても定例のお祭りとなっている。ディズニーファンが数多くいる日本でも、 10月12日~14日に「D23 Expo Japan」として初めて開催された。このように、米国ディズニーは近年、自前のコンベンション以外にも、アニメコンベンションへの出展を積極的に行なうことでファン層の拡大を図っている。

 そして、今回コミケットに出展するディズニー映画「エンダーのゲーム」は、1985年に発表されたオースン・スコット・カードの小説を映画化したものだ。宇宙戦争を“終わらせる使命”を背負って生まれた少年戦士エンダーの挫折と成長を描いたヒューマンドラマで、近年の日本のサブカルチャー界に熱狂の渦を巻き起こしているアニメ、漫画、小説、そしてゲームなどに多大な影響を与えている。

多数の来場客で賑わう同人誌頒布会場の全景。企業もこの影響力に注目している

 今回、ディズニーが「エンダーのゲーム」でコミケットに参加した理由について、「今のマーケットは押しつける“説得”ではなく“共感”して面白いものを楽しんでもらう時代。この夏、コミケに実際に参加して、その熱量と集客力は日本最大級のイベントだと感じた」(ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン宣伝プロデューサーの百合草太郎氏)ためだという。

 ディズニーだけでなく、コミケットの企業ブースは、普段萌え系とは別の層をターゲットとしている企業やコンテンツに縁が無い企業が萌え系のイラストレーターを使った実験的な企画を行う際に、絶好な場所として使われている。

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小山友介
[芝浦工業大学システム理工学部教授]

1973年生まれ。芝浦工業大学システム理工学部教授。2002年京都大学大学院博士課程修了。博士(経済学)。東京工業大学助教等を経て現職。東工大時代に経済シミュレーション研究に従事、そこで学んだコンピュータサイエンスの知識を生かしてゲーム産業研究を行なう。専門はゲーム産業を中心としたコンテンツ産業論と社会情報学。2016年6月末に『日本デジタルゲーム産業史』 (人文書院)を刊行。

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ゲームソフトをゲーム専用機だけで遊ぶ時代は終わった。ゲーム機を飛び出し、“コンテンツ”のひとつとしてゲームソフトがあらゆる端末で活躍する時代の、デジタルエンターテインメントコンテンツビジネスの行方を追う。

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