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「引きこもり」するオトナたち

「もう役所には行きたくない」
生活保護申請の現場で絶望する困窮者たち

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第181回】

 2013年を表す漢字は「輪」だそうである。でも、本当に「輪」なんだろうか。

 今年も、弱き者たちの悲劇が相次いだ。事件が起こるたびに、地域に埋もれて引きこもってきた人やその家族の存在が、泡沫のように浮かび上がっては消えてゆく。

 筆者の元にも、明日の生活をも知れずに生き続ける予備軍と思える人たちの叫びが、毎日、何通もメールで寄せられてくる。

 「他人に迷惑をかけたくない」などと周りに気遣ってしまうタイプの人たちには、ますます生きにくい世の中になってはいないか。

 中でも、餓死をした大阪府の女性を取り上げた当連載第177回「何が31歳女性を餓死させたか」の記事には、たくさんの数の反響を頂いた。今回、そんな内容の一部を紹介したい。

「仕事ができないほどの病気なんですか」
生活保護を断られた男性の失望

<他人事とは思えず、メールすることにしました> 

 そんな書き出しのメールをくれたのは、首都圏に住む(女性と)同世代の男性。先日、役所へ生活保護の相談に行き、断られてきたばかりだという。

 うつ病の治療を続けているため、仕事がなく、お金もない状態だった。
医療機関から自立支援医療を申請するようアドバイスされ、役所に手続に行ったところ、担当者から「あなただったら、生活保護も受けられる」と言われた。

<苦しい生活ですが、生活保護の手続きは厳しいと思っていたので、なんか一筋の明かりが見えたというか、救われる思いがしました>

 アパートで、独身の妹と2人暮らし。仕事をしている妹は、結婚を夢見てアパートを出たがっていたが、兄の面倒を見るために、それも叶わない状態だった。

 窓口に相談に行くと、「次回、来るときに、妹と一緒に通帳類を持ってくるように」と言われた。

 受給するためには、賃料の問題から2人揃ってアパートを引っ越さなければならない。そこで、妹と書類を用意して再び役所を訪れた。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

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