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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

優れたリーダーは“私”とは言わずに
“われわれ”と言う

上田惇生
【第366回】 2014年1月7日
著者・コラム紹介バックナンバー
ダイヤモンド社刊
1890円

 「優れたリーダーは、“私”とは言わない。意識して言わないのではない。“私”を考えないのである。いつも、“われわれ”を考える。チームを考える。彼らは、自分の仕事がチームを機能させることだということを知っている。責任を引き受け、逃げることをしない。成果は“われわれ”のものとする。考えることは、なされるべきことと、チームのことだけである。そこから信頼が生まれ、なされるべきことがなされる」(ドラッカー名著集(4)『非営利組織の経営』)

 ドラッカーは、リーダー用の資質などというものはないと言う。リーダーにはいろいろなタイプがある。しかし、リーダーたるために必要とされる姿勢は、いくつかある。

 第1が、人に聞くことである。聞くことは、スキルではなく姿勢である。

 第2が、自らの考えを理解してもらう意欲である。そのためには何度も言い、身をもって示すことである。

 第3が、言い訳やごまかしをしないことである。何事にも本気であることである。

 第4が、仕事の重要性に比べれば、自分など取るに足りない存在であるとの認識である。仕事と自らを一体化しないことである。仕事とは、リーダーよりも重要であって、リーダーとは別個の存在である。

 ドラッカーは、真のリーダーについて、こう言う。「私の知っているほとんどのリーダーが、生まれつきのリーダーでも、育てられたリーダーでもなかった。自らをリーダーとして作り上げた人たちだった」。

 トルーマン大統領は、ルーズベルト大統領の突然の死によって大統領になったとき、今米国のリーダーとしてなすべき最も重要な仕事は何かを考え、急きょ、不得意だった国際問題に取り組み、旧ソ連の封じ込めに成功した。

 マッカーサー元帥は、自分よりも頭のよい者はいないはずと自負しながらも、部下の言に耳を傾けて最強のチームをつくり上げた。気性には合わなかったが、それがリーダーの役割だということを知っていた。

 「リーダーたるものは、献身しつつも個たりえなければならない。そのとき仕事もうまくいく。自らを仕事の外に置かなければならない」(『非営利組織の経営』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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