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『うつ』のち、晴れ 鬱からの再生ストーリー

急増する『派遣うつ』 ストレスの連鎖が生んだ「共食い」職場の実態

西川敦子 [フリーライター]
【第29回】

 あるところに、とても無責任な人がいた。彼はペットショップでザリガニ、金魚、メダカを買ったが、水槽を3つ買うおカネはなかったので、1つだけ買うことにした。そして家に帰り、同じ水槽に生き物たちを放した。そしてその後、水も替えなければエサもやらなかった。さて、その3日後。水槽の中では何が起きていただろうか――。

 もちろん、水槽の中は死骸でいっぱいだ。生き残ったペットたちも、よどんだ水の中ではあとどのくらい生きられるかわかったものではない。それにも似た状態が今、あちこちの企業で起こっている。

 東京ユニオンの執行委員長 渡辺秀雄さんからこんな話を聞いた。

 「今、増えているのが派遣社員からの相談です。職種はさまざまですね。経理、事務、研究職、CADオペレーター……。みんな『体調を崩したので派遣先を辞めたい』と言うんだけど、よく聞くとほぼ100%がメンタル面の不調。働き始めてから1週間くらいしかたっていない、なんていう人もたくさんいる。どっちを見ても“毎日が五月病”状態だね。はっきり言って、異常な事態ですよ」

 「相談件数が一気に増えたのは、派遣法が改正された99年頃からだ」と渡辺さん。この年、派遣の対象業務は26の専門的派遣だけでなく、原則的に自由化された。そのせいで正社員のかわりに派遣社員を大量に採用する企業が急増している。就職氷河期が終わり、売り手市場になってからもその勢いはとまっていない。厚生労働省の調べによると、2007年度に労働局へよせられた職場のいじめに関する相談約2万8000件うち、2万7000件が非正規社員からの相談だったという。

ヒエラルキーが
生むストレス

 「辞めさせられるのが怖くて、言われるままに仕事を引き受けてしまう」
 「セクハラを受けているが、抵抗できない」

 派遣会社から「長期の仕事」と紹介されても、現実には短期間で契約更新を繰り返す「細切れ契約」も多い。立場の弱さから自分を抑え、つい無理をして周囲の期待に応えようとする「過剰適応」が増えている。

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西川敦子 [フリーライター]

1967年生まれ。上智大学外国語学部卒業。編集プロダクション勤務を経て、独立。週刊ダイヤモンド、人事関連雑誌、女性誌などで、メンタルヘルスや介護、医療、格差問題、独立・起業などをテーマに取材、執筆を続ける。西川氏の連載「『うつ』のち、晴れ」「働く男女の『取扱説明書』」「『婚迷時代』の男たち」は、ダイヤモンド・オンラインで人気連載に。


『うつ』のち、晴れ 鬱からの再生ストーリー

うつをきっかけに、生き方や働き方を見つめ直した人々にフォーカス!うつに負けない、うつを乗り越えるための知恵と活力を探っていく。

「『うつ』のち、晴れ 鬱からの再生ストーリー」

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