一昨年末の衆議院議員選挙で民主党から政権を奪った自民党。その後の経済対策が功を奏し、支持率を伸ばし続け、2013年7月に行われた参議院議員選挙でも民主党をはじめとした野党勢力を蹴散らし、政権基盤を盤石にした。参院選では東京選挙区での激戦、ゴタゴタを覚えている方も多いだろう。民主党は鈴木寛・元文部科学副大臣を公認候補として一本化したが、菅直人・元首相が、公認を取り消され無所属で立候補した大河原雅子氏を公然と支援。分裂選挙として注目された。結果、鈴木寛氏、大河原雅子氏は落選。脱原発で勢いに乗った山本太郎氏が当選し、一躍脚光を浴びた。11月に鈴木寛氏は民主党を離党、一方で党員資格停止処分(3ヵ月)を受けていた菅氏は処分が明け、復帰している。今後の予定は決まっていないという鈴木寛氏に、今日に至るまでの経緯と、2014年の政治とメディアについて語ってもらった。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン編集部 片田江康男)
政治を“見せ物”にしたいテレビ
そこへネタを出し続けた民主党
元文部科学副大臣、前参議院議員。1964年生まれ。東京大学法学部卒業後、86年通産省入省。2001年参議院議員初当選(東京都)。民主党政権では文部科学副大臣を2期務めるなど、教育、医療、スポーツ・文化を中心に活動。党憲法調査会事務局長、参議院憲法審査会幹事などを歴任。超党派スポーツ振興議連幹事長、東京オリンピック・パラリンピック招致議連事務局長。大阪大学招聘教授、中央大学客員教授、電通大学客員教授。13年7月の参院選で落選。同年11月、民主党離党。
――2013年7月の参議院議員選挙は、2012年12月に行われた衆議院議員選挙に続き、自民党の圧勝に終わりました。昨年1年、政治の世界では安倍政権や自民党への安定した支持が目立ちました。その一方で、民主党は存在感が感じられず、衰退ぶりは際立っていました。ご自身も参院選に落選し、逆風をもろに受けたのではないかと思います。民主党を離党された今、改めて民主党の選挙惨敗から衰退を、どのようにご覧になりますか。
民主党はテレビとの付き合い方をわかっていませんでした。テレビはあらゆるものを消費の対象にします。活字は何度も反芻できるし、ラジオも視聴者はちゃんと聞く。一方でテレビはインプレッションがすべて。特に商業テレビは視聴率を稼がないといけないので、その傾向は強いです。
テレビ局の中で働いている人たち一人ひとりは優秀で頑張っている人が多い。私の教え子も、何人かテレビ局で働いていて、彼らはとても頑張っています。でも、テレビは政治を“見せ物”にしてしまう。
このことはドイツの政治学者であるユルゲン・ハーバーマスが1962年に『公共性の構造転換』のなかで触れている。昔から言われていることですが、民主党はそれを理解していませんでした。だから、“見せ物”にしたいテレビというメディアに、格好のネタを提供し続け、有権者から支持を失っていったのだと思います。
――もう少し具体的に言うと……。