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2014年、すべての企業にとって重要になる
6つのITトレンド

内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]
【第9回】 2014年1月17日
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IT業界のイベントや雑誌メディアなどの特集で取り上げられる流行のキーワードと、実際の企業ユーザーの取組みにはおおむね1~2年のギャップがある。2014年の年頭にあたって、企業がIT戦略のテーマとして着目すべきトレンドを紹介しよう。

「SMAC」はかつての「ネオダマ」のようになる

 1990年代初頭に流行した「ネオダマ」という言葉は、ネットワーク、オープンシステム、ダウンサイジング、マルチメディアの頭文字をとったものだった。当時は、企業がコンピュータの導入を積極的に進め始めた時期であり、独自方式のホスト・コンピュータやオフコンから小型・中型サーバへの移行が盛んに行われ、専用のキャラクター端末がウィンドウズなどのパソコンに置き換わっていった。

 その後「ネオダマ」の4つの要素はどれも当たり前の事柄になり、キーワードとしての目新しさも失われていった。今では、LAN/WANに接続され、オープン技術を採用したシステムを誰もが利用しているが、わざわざネットワークやオープンシステムをキーワードとして取り上げることはない。

 一方、SMACは、ソーシャル(S)、モバイル(M)、アナリティクス(A)、クラウド(C)の頭文字を並べたもので、2012年から2013年にかけてのIT業界における流行のキーワードといえるだろう。こうしたIT業界キーワードは、啓発的な段階に始まり(黎明期)、試行段階を経て実行段階に向かい(普及期)、一般化していく(成熟期)という過程をたどる。

 成熟期を過ぎるとキーワードの運命は大きく2つに分かれる。一方は、あえて取りざたしなくとも、ある意味で「当たり前」となって定着するキーワード、そして、もう1つは「そんな言葉もあった」という具合に忘れ去られてしまうものである。

 昨年までのキーワードであったSMACは黎明期を脱し、2014年は普及期に突入するだろう。とりわけモバイルとクラウドは、かつての「ネオダマ」と同様に、当たり前の選択肢となって定着すると考えられる。

2014年のIT戦略テーマとは

 SMACの要素はいずれも、全く新規の技術によって創造された革新というよりも、これまでの技術の組み合わせによって生み出された提供形態や活用方法の革新といえる。今後これらは着実に浸透し、ユーザー企業がIT戦略を遂行する上での重要な要素となっていくだろう。

 一方で、こうした技術シーズを起点とするIT動向だけでなく、企業における経営課題や事業戦略を起点とするIT活用のあり方に着目することも忘れてはならない。その際、中長期における事業の見通し、企業における経営の目指す方向、組織運営、意思決定プロセス、ワークスタイルのあり方などを想定し、それらを支えるITのあるべき姿を具体的に描くことが重要となる。

 ITRでは、毎年行っているIT投資動向調査の結果、クライアント企業から受ける質問や依頼されるプレゼンテーションの内容、およびクライアント企業へのヒアリングを加味し、重要なIT戦略テーマを選定している。ここでは、単なるIT業界キーワードとしてではなく、2014年に向けて多くの企業にとって重要と考える6つのIT戦略テーマを紹介する。

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内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。現在は大手ユーザー企業のIT戦略立案・実行のアドバイスおよびコンサルティングを提供する。


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