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「会計&ファイナンス」 一流の経営者はどう使う?
【第7回】 2014年1月21日
著者・コラム紹介バックナンバー
田中慎一 [企業財務コンサルタント/株式会社インテグリティ・パートナーズ代表取締役],保田隆明 [神戸大学大学院経営学研究科准教授、昭和女子大学非常勤講師]

第1話 ファイナンスの実務は日産で学んだ

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元社員から見たゴーン改革

田中 ご著書によると、岩田さんは日産に入られて、新入社員として、みんなの前であいさつするとき「私は、将来、日産の社長になります」と宣言されましたよね?

岩田 そうですね。

田中 では、日産が経営危機に陥ったときにルノーが資本を入れて、ゴーンさんがCEOで入ってこられて、見事に経営再建を果たしました。あのとき、ゴーンさんではなく、岩田さんが日産自動車のCEOになっていたら、どんなふうにやったと思いますか? 

岩田 仮定の話しをするのは難しいので、一般論でお話しさせてもらいます。一般的に、極度の経営不振の状態に陥った会社というのは、営業、生産、労使関係といった会社のあらゆるところでおかしなことがまかり通るようになっています。現場の社員は、そんな問題に対して結構深刻に感じているものです。だけど、しがらみやら現状を維持したいといった組織の論理が幅を利かせて、なかなか改めることができなくなります。そうして根本的な問題が先延ばしされるわけです。もっとダイナミックにガンガンやればいいんだけど、それができる勇気のある人がいないんですね。役員含めてみんなサラリーマンばかり。自分の命をかけても会社を復活させるという気持ちを持ったリーダーが決断しないといけません。ゴーンさんは、そういうしがらみがないから、バサッ、バサッと断ち切ったわけです。その結果、組合も協力したし、社内の偏った学閥もなくなったということですね。

田中 ゴーンさんの決断力を含めたリーダーシップに尽きるわけですね。

岩田 経営不振の会社を再建させるためには、経営トップが強い権力を持ってトップダウンでガーッとやらないといけません。ちなみに、外部から見てゴーンさんが来てから最初の1年くらいは、英語を話せる人が偉くなっているなという印象がありましたが、2年目、3年目あたりからは、やはり、ゴーンさんはきちんと人を見て評価しているなぁと感じました。


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    田中慎一(たなか・しんいち) [企業財務コンサルタント/株式会社インテグリティ・パートナーズ代表取締役]

    1972年生まれ。大学卒業後、監査法人太田昭和センチュリー(現あずさ監査法人)、大和証券SMBC、UBS証券などを経て独立。監査法人で上場企業の会計監査、IPO支援やデューデリジェンス業務、証券会社の投資銀行部門ではM&A、事業再生、資金調達に関するアドバイザリーサービスに従事。現在は、財務戦略に関するコンサルティングサービスを提供するほか、ベンチャー企業・中小オーナー企業の社外役員を務める。著書に『M&A時代 企業価値のホントの考え方』『投資事業組合とは何か』『あわせて学ぶ 会計&ファイナンス入門講座 』(いずれもダイヤモンド社)などがある。趣味は料理とトライアスロン。

    保田隆明 [神戸大学大学院経営学研究科准教授、昭和女子大学非常勤講師]

    1974年生まれ。神戸大学大学院経営学研究科准教授、昭和女子大学非常勤講師。リーマン・ブラザーズ証券(東京/ニューヨーク)、UBS証券東京支店で投資銀行業務に携わる。その後、起業、投資ファンド運用等を経て、10年より小樽商科大学大学院准教授、14年より昭和女子大学准教授、2015年9月より現職。雑誌、テレビや講演で金融・経済をわかりやすく解説する。著書は「あわせて学ぶ会計&ファイナンス入門講座」「実況LIVE 企業ファイナンス入門講座」(ともにダイヤモンド社)ほか多数。早大院商学研究科博士後期課程満期退学。
    保田氏ブログ

     


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