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心の病を未然に防ぐソーシャルサポート
対話が作り出すネット世代の支え合い

吉田由紀子
2014年1月22日
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対話によって心の病を未然に防ぐ「聴くトモ」。若年層を対象にしており、60分1500円とリーズナブルな料金設定だ

 気持ちが塞ぐ。わけもなく不安になる。人間関係がうまくいかない…。そんなとき、モヤモヤした気持ちを誰かに聞いてもらうだけでラクになった経験はないだろうか。

 日常の些細な不調がきっかけで心の病に発展してしまう事態は、現代社会では往々にしてあることだ。互いに支え合い、大事に至る前に予防する。そんなソーシャルサポートが、いま様々な場所で展開されている。

 毎週水曜の夕方、都内の小さなカフェ。集まっているのは20代の男女。カフェのあちこちでマンツーマンの対話が行われている。相手の話をゆっくり聞きながら相槌を打ち、要点を整理し、心のもつれを解きほぐしていく。一見、友人同士が親密な会話を楽しんでいるように見えるが、これは「聴くトモ」というソーシャルサポートのサービス風景だ。

 話を聴いているのはプロのカウンセラーではない。様々な職業を持つボランティアスタッフだ。彼らは医師や臨床心理士、プロコーチから専門の訓練を受け、「傾聴サポーター」という立場で支援に参加している。

ネット世代は、人間関係の問題解決経験が不足

 このプロジェクトが対象とするのは、昨今、社会的な寄る辺が減少する一方の20代、30代若年層。彼らが安心できるプラットフォームを作ることで、不安や悩みを軽減していくのが狙いだ。立ち上げたのは、20代の女性社会起業家である。

 「性格や人間関係など様々な悩み抱えた相談者が来られます。緊急状態というよりは慢性的な不調を抱えている方が大半です。新しい一歩を始めるために何をすればよいか、前向きに考えたい。でも一人だと不安、どうしていいのかわからないという方が多いです」(運営母体であるNPO法人Light Ring代表・石井綾華氏)

 幼い頃から手軽なネットコミュニケーションが当たり前となった今の20代は、友人との衝突や和解を重ねて成長していった先輩世代に比べると、“人間関係の問題解決経験”が希薄になっている。そのため就職後、経験したことのないような高度なコミュニケーション技術を求められ、太刀打ちできない状態にあるのだと石井氏は指摘する。

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