ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
トップ営業マンの説得術

自分の「専門性」を打ち出し、相手を惹き付ける

プロセス2:自分を演出する

榊 博文 [慶応義塾大学文学部教授/社会学博士]
【第4回】 2008年5月21日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

営業において、説得力・交渉力は不可欠なもの。これまでは自己流で身体で学ぶというのが主な方法でしたが、説得のメカニズムを「科学」しておけば、誰でも効果的に説得力を身につけられるのです。

 前回までは、「説得力を向上させるための6つのプロセス」の1つ目として、「外部環境を整備する」ことをご紹介してきました。

 今回は、プロセスの2つ目「自分を演出する」についてです。具体的なケースとともにご紹介しましょう。

講演で聴衆を惹き付けられなかった
Eさんのケース

 コンサルティング会社に勤めるEさんは、「不況を乗り切る組織変革」というテーマで講演することになりました。

 実は社外の演壇で講演するのは初めての経験でしたが、そもそも自分の得意分野であり、資料・データも周到に準備しているので、何の不安も感じていませんでした。何回か頭の中でもシミュレーションしてみました。「われながら上出来だ。この講演がきっかけとなって新しい仕事につながるかもしれない」と皮算用さえしていました。そして、楽勝気分で当日に臨みました。

 しかし、終わってみると、Eさんの予想は裏切られました。聴衆の感想は「理屈は分かるけれど、現実的ではない」というものが多く、せっかくのデビュー戦も出鼻をくじかれた格好になりました。この日は上司も同じテーマで講演しました。Eさんはなぜ自分の講演がうまくいかなかったのか、上司にたずねてみました。

 Eさんの上司は、短時間のうちに聴衆との信頼関係を築こうと、さながらライブステージのように話のスピード、声の大きさ、力強さなどを演出し、会場を動き回りながら、聞き手を話に引きずり込ませようとしていました。

 かたやEさんはせいぜいスクリーンと演壇の間を行き来する程度で、会議の席でのプレゼンテーションのように論理で相手を納得させようと努めるあまり、ついつい口だけが饒舌になっていました。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR


おすすめの本
おすすめの本
榊博文氏の著書「トップ営業が使う説得学」好評発売中!

営業において、説得力・交渉力は必要不可欠。説得のメカニズムを社会心理学の視点から科学的に解明する。ビジネス現場で使われている説得・交渉の実例が満載。1500円(税別)

話題の記事

榊 博文 [慶応義塾大学文学部教授/社会学博士]

慶応高校から慶応義塾大学経済学部を経て、慶応義塾大学院社会学研究科博士課程修了。米国スタンフォード大学留学。専門は社会心理学。主として効果的な説得戦略、およびイノベーションの効果的な普及戦略に関する研究に従事。主な著書に『説得と影響―交渉のための社会心理学』『日本列島カルト汚染―説得と勧誘の社会心理学』(いずれもブレーン出版)などがある。


トップ営業マンの説得術

できる営業マンはみな説得上手。より効果的な「説得」のメカニズムを学べばトップ営業マンも夢じゃない!「説得術」の権威が、社会心理学の視点から「説得力」を解明、わかりやすく解説。

「トップ営業マンの説得術」

⇒バックナンバー一覧