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週刊・上杉隆

国民に訴えた小泉解散会見と、
党に謝罪した麻生解散会見の落差

上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]
【第87回】 2009年7月23日
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 きのう(7月21日)、麻生太郎首相が衆議院を解散した。直前の両院議員懇談会では、党の結束をはかり、その後の代議士会でも、“宿敵”の中川秀直元幹事長と硬い握手を交わすといった「演出」を済ませてからの解散であった。

 解散直後の午後6時、4年前の小泉純一郎元首相の“伝説”の演説を意識したのだろうか、麻生首相は、赤いカーテンをバックにネクタイまで水色というまるで同じスタイルで解散会見に臨んだ。

解散の理由を伝えるどころか
党員への詫びと支持訴えに終始

 「麻生太郎です。私は、本日、衆議院を解散して、国民の皆様に信を問う決意をいたしました。日本を守り、国民の暮らしを守るのは、どちらの政党か、どの政党か、政治の責任を明らかにするためであります。

 私は、就任以来、景気を回復させ、国民生活を守ることを最優先に取り組んでまいりました。その間、私の不用意な発言のために、国民の皆様に不信を与え、政治に対する信頼を損なわせました。深く反省をいたしております。

 また、自民党内の結束の乱れについてであります。私が至らなかったため、国民の皆様に不信感を与えました。総裁として、心からおわびを申し上げるところです。

 謙虚に反省し、自由民主党に期待を寄せてくださる皆様の思いを大切にして、責任を全うしてまいります。今回の総選挙に際し、国民の皆様と3つの約束をさせていただきます」(首相官邸ホームページより)
http://www.kantei.go.jp/jp/asospeech/2009/07/21kaiken.html

 冒頭から謝罪をするという奇策を採ったものの、原稿に目を落としたままの棒読みに迫力は感じられなかった。

 しかも、その内容は、午前中の自民党の懇談会で話したものとほとんど同じで、さらに、国民に向かっての記者会見のはずであるにもかかわらず、自民党総裁として、党員への謝罪と支持訴えに終始している。

 これでは、いったい麻生首相が、国民に何を訴えたかったのか、なぜ解散をしたかったのか、さっぱりわからない。

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上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]

株式会社NO BORDER代表取締役。社団法人自由報道協会代表。元ジャーナリスト。1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局記者、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者、フリージャーナリストなどを経て現在に至る。著書に『石原慎太郎「5人の参謀」』 『田中真紀子の恩讐』 『議員秘書という仮面―彼らは何でも知っている』 『田中真紀子の正体』 『小泉の勝利 メディアの敗北』 『官邸崩壊 安倍政権迷走の一年』 『ジャーナリズム崩壊』 『宰相不在―崩壊する政治とメディアを読み解く』 『世襲議員のからくり』 『民主党政権は日本をどう変えるのか』 『政権交代の内幕』 『記者クラブ崩壊 新聞・テレビとの200日戦争』 『暴走検察』 『なぜツイッターでつぶやくと日本が変わるのか』 『上杉隆の40字で答えなさい~きわめて非教科書的な「政治と社会の教科書」~』 『結果を求めない生き方 上杉流脱力仕事術』 『小鳥と柴犬と小沢イチローと』 『永田町奇譚』(共著) 『ウィキリークス以後の日本 自由報道協会(仮)とメディア革命』 『この国の「問題点」続・上杉隆の40字で答えなさい』 『報道災害【原発編】 事実を伝えないメディアの大罪』(共著) 『放課後ゴルフ倶楽部』 『だからテレビに嫌われる』(堀江貴文との共著)  『有事対応コミュニケーション力』(共著) 『国家の恥 一億総洗脳化の真実』 『新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか』 『大手メディアが隠す ニュースにならなかったあぶない真実』


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