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少子対策にスポーツの熱狂?
2020年前後の出生率上昇に期待

井手ゆきえ [医学ライター],-週刊ダイヤモンド編集部-
【第184回】

前回に続き、「英国医学雑誌(BMJ)」の2013年クリスマス特別号に掲載されたユニークな1本を。少子化で深刻さを増す日本社会に一筋の光明をもたらす、かもしれない。

 というのも、09年5月、欧州プロサッカーチームのFCバルセロナ(バルサ)がUEFAチャンピオンズリーグを制した9カ月後、カタルーニャの出生数が16%(!)上昇したという事実が明らかにされたのだ。どうやら、スポーツへの熱狂は男女間の情熱にも火をつけるらしい。

 スペインの研究者らは、バルサの黄金期を指揮したグラディオラ監督の出身地区(カタルーニャのど真ん中)で調査を実施。バルサが栄冠を獲得した09年5月6日から「十月十日(本当は269日)」を過ぎた10年2月近辺の出生数をカウント。その数値を、07~11年の5年間の各月の出生数と比較してみたのだ。

 その結果、まさに10年2月、同地区で16.1%の出生数の増加が認められたほか、続く3月も11%の出生増が確認された。ちなみに08-09シーズンのバルサは欧州三冠王に輝いている。

 人の強烈な感情が人口動態に影響することはよく知られている。1965年の「ニューヨーク大停電」が有名で、停電発生9カ月後に、マンハッタンの五つの病院で30%もの出生数の上昇が認められた。ただ、大規模災害時に人との絆を求める気持ちは本能的に理解できるが「スポーツへの熱狂」となると半信半疑ではある。

 そこで日本の数値をひもといてみると、ありました。前回64年「東京五輪」開催時、出生率は17.7(千人対)だったが、翌年は18.6と一気に1ポイント近く跳ね上がっている。60~64年の平均上昇幅は0.2だから、ここは「五輪効果」があったとみていい。

 実際、7年後の東京五輪が決定した途端、若者たちの間で「結婚して子どもとオリンピックを見たい!」というツイートが大量に現れた。スポーツへの情熱というより、それをきっかけに未来への希望が溢れ出したのだろう。願わくば「そのとき」まで、情熱と希望が続いてほしいものである。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)

週刊ダイヤモンド

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井手ゆきえ [医学ライター]

医学ライター。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会正会員。証券、IT関連の業界紙編集記者を経て、なぜか医学、生命科学分野に魅せられ、ここを安住の地と定める。ナラティブ(物語)とサイエンスの融合をこころざし、2006年よりフリーランス。一般向けにネット媒体、週刊/月刊誌、そのほか医療者向け媒体にて執筆中。生命体の秩序だった静謐さにくらべ人間は埒もないと嘆息しつつ、ひまさえあれば、医学雑誌と時代小説に読み耽っている。

 

週刊ダイヤモンド編集部


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