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石川和男の霞が関政策総研

インフラ高齢化時代に“公共事業不要論”は危険
『新規建設促進』より『既設長寿化』を優先せよ

石川和男 [NPO法人 社会保障経済研究所代表]
【第14回】 2014年2月10日
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増大を続ける社会保障関係費
これ以上の公共事業関係費削減は困難

 今、国会では平成26年度予算案が審議されている。少子高齢社会に突入した日本で、国家予算の配分を考える時、もっとも頭が痛いのは社会保障関係費の急激な伸びであることは論を待たない。

 図1を見るとわかるが、近年の社会保障関係費の右肩上がり傾向は突出しているが、他の予算費目は横這いか漸減となっている。特に、近年の公共事業関係費の減額は著しく、その減額分で社会保障関係費の急速な伸びを補ってきていると言える。

◆図1:一般会計の主要経費別歳出額の推移(財務省資料

 今年4月に予定されている消費増税(税率5%→8%)と、来年10月に予定されている消費増税(税率8%→10%)は、社会保障関係費の増分を賄うものとされており、他の予算に振り分けられることはない。社会保障関係費の伸びは、消費増税だけでは賄い切れないので、他の予算費目からの財源の転用か、国債の発行に依る方法しかない。

 だが、他の予算費目も重要な既得権益が多く、いくら社会保障が大事だと言っても、そのために削る既得権益はとても見出せないのが実情だ。公共事業関係費も、これ以上の削減は困難であろう。だから、今後は社会保障関係費を極力抑制していくような合理化が必要となるはずだ。他方で、公共事業関係費は、1990年代前半のバブル経済崩壊以降、景気対策の名目で多発されてきた。しかし、近年では減少傾向にある。

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石川和男 [NPO法人 社会保障経済研究所代表]

1989年3月東京大学工学部卒業。同年4月通商産業省(現経済産業省)入省。資源エネルギー庁、生活産業局、環境立地局、産業政策局、中小企業庁、商務情報政策局、大臣官房等を歴任。2007年3月経済産業省退官。08年4月東京女子医科大学特任教授(~10年3月)。09年1月政策研究大学院大学客員教授。09年4月東京財団上席研究員。11年9月NPO法人社会保障経済研究所代表。ツイッター:@kazuo_ishikawa ニコ生公式チャンネル『霞が関政策総研』、ブログ『霞が関政策総研ブログ』


石川和男の霞が関政策総研

経済産業省の元官僚として政策立案の現場に実際に関わってきた経験と知識を基に、社会保障、エネルギー、公的金融、行政改革、リテール金融など、日本が抱えるさまざまな政策課題について、独自の視点で提言を行なっていく。

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