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嫌われる勇気──自己啓発の源流「アドラー」の教え
【第3回】 2014年2月12日
著者・コラム紹介バックナンバー
岸見一郎 [哲学者]

【安藤美冬×岸見一郎 対談】(前編)
一度知ったら引き返せない「嫌われる勇気」の魔力
自由に生きるための武器「アドラー心理学」

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「自由とは他者から嫌われることである」──フロイト、ユングと並んで「心理学の三大巨頭」と称されるアドラーの思想が、哲人と青年の対話を通して学べる書籍『嫌われる勇気』(岸見一郎・古賀史健著、ダイヤモンド社)。cakesでの同名連載をまとめた本書は、刊行からわずか1ヵ月半で8万部を突破。これほど多くの人に注目される本書の秘密は何なのでしょう。それを解き明かすため、今回は同書の著者の一人である哲学者・岸見一郎さんと、起業家・コラムニストの安藤美冬さんの対談をお届けします。
本書を「2013年に読んだ本No.1」と公言する安藤さんは、「ライフスタイルの編集」をテーマに、商品企画、企業コンサルティング、大学講師にコラム執筆など多種多様な仕事をパラレルに手がけていらっしゃいます。すでに自分らしい働き方やライフスタイルの実現という「自由」を謳歌しているように思える彼女は、アドラーの思想の何に衝撃を受けたのでしょうか?(構成:宮崎智之)

トラウマを作っているのは
現在の自分?!

安藤美冬(以下、安藤) 昨年末にニューヨークに行く用事がありまして、飛行機の中で『嫌われる勇気』を読みました。ひとことで言うと「開眼」したというか。「ただごとではないことが起こっているぞ」という直感に導かれるまま、ホテルにチェックインした後に再読し、結局1日に2回も読んでしまいました。

安藤美冬(あんどうみふゆ)
起業家/コラムニスト/Japan in Depth副編集長/多摩大学経営情報学部非常勤講師 株式会社スプリー代表。1980年生まれ、東京育ち。慶応義塾大学卒業後、集英社を経て現職。ソーシャルメディアでの発信を駆使し、肩書や専門領域にとらわれずに多種多様な仕事を手がける独自のノマドワーク&ライフスタイル実践者。『自分をつくる学校』学長、講談社『ミスiD(アイドル)2014』選考委員、雑誌『DRESS』の「女の内閣」働き方担当相などを務めるほか、商品企画、コラム執筆、イベント出演など幅広く活動中。多摩大学経営情報学部「SNS社会論」非常勤講師。Japan in Depth副編集長。TBS系列『情熱大陸』、NHK Eテレ『ニッポンのジレンマ』などメディア出演多数。著書に7万部突破の『冒険に出よう』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。
公式ホームページ:http://andomifuyu.com

岸見一郎(以下、岸見) なんと、ありがとうございます。

安藤 2回目の読書を終えた直後のことです。本を閉じ、余韻を感じながらゆっくりと顔を上げると、目の前にニューヨークのホテルから見える朝焼けが広がっていました。それがもう、ものすごく綺麗で。自分の心にも光が広がっていくような、シンクロする感覚がありました。それほど影響を受けた特別な一冊だったので、先生とお話しするのを楽しみにしていました。

岸見 私も『僕たちはこうして仕事を面白くする』(NHK出版)で安藤さんを知って興味を持ち、他の著書を読み進めていたところだったので、今日をとても楽しみにしていました。安藤さんの発言はすごく面白いですね。

安藤 本当ですか! ありがとうございます。

岸見 安藤さんは、『嫌われる勇気』のどこを気に入ってくださったのでしょうか。

安藤 今はまったく違う分野を行き来していますが、本当のところ、私が子どもの頃からいちばん興味のある分野は、「心の探究」なんです。物心ついた頃から「人はどうすれば苦しみから逃れ、幸せを感じられるのか」という大きなテーマを考えずにはいられませんでした。小学校時代にいじめられたり、高校時代に親友が心の病気を発症したり、26歳で「抑うつ」と診断されて休職をしたりしたことが理由だと思います。「心」というつかみどころのないもの、それを理解しようと、たくさんの心関係の本を読んだり、何十ヵ国を旅したりしてきました。

岸見 具体的に行動を起こされるところが、安藤さんらしいですね。

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岸見一郎[哲学者]

きしみ・いちろう/1956年京都生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学。専門の哲学(西洋古代哲学、特にプラトン哲学)と並行して、1989年からアドラー心理学を研究。精力的にアドラー心理学や古代哲学の執筆・講演活動、そして精神科医院などで多くの“青年”のカウンセリングを行う。日本アドラー心理学会認定カウンセラー・顧問。


嫌われる勇気──自己啓発の源流「アドラー」の教え

フロイト、ユングと並ぶ心理学界の三大巨頭とされながら、日本では無名に近いアルフレッド・アドラー。彼はトラウマの存在を否定したうえで、「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」と断言し、対人関係を改善する具体策を示してくれます。まさに村社会的空気のなかで対人関係に悩む日本人にこそ必要な思想と言えるでしょう。本連載では、アドラーの教えのポイントを逐次解説することでわかりやすく伝えます。

「嫌われる勇気──自己啓発の源流「アドラー」の教え」

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