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東洋医学に学ぶ 旬な食生活

体の中の「陽気」を食材で補い、冷えを追い出す

植木もも子 [料理研究家・管理栄養士・国際薬膳師]
【第11回】 2014年2月13日
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 2月は暦の上では春になります。とはいえ、1年で1番寒さが厳しいのがこの時期ですね。12月の冬至を境に「陽気」が増して「陰気」が徐々に減ってゆきます。陽気とは自然界では「太陽の気」、つまり温かい気のことです。

 実は、体の中にも陽気と陰気が存在します。陽気には体を温める力があり、陰気には体を冷ます(余分な熱を除く)力があります。このバランスが崩れると、更年期障害でよく起こる「のぼせ」などの症状が現れることがあります。これは体の余分な熱を取る陰気の気が少なくなって起きた症状「陰虚」と捉えられます。

 高齢者や虚弱な体質の人に見られる冷え(手を触ると冷たいなど)は、体の中の陽気が足りなくなり、体を十分に温められなくなったことで起こる症状で、「陽虚」といいます。

 体の中にある陰気と陽気は、年齢とともに自然に少なくなっていくのが普通です。先に陰気が少なくなり、次に陽気が少なくなるケースが多く見られます。男性のED(勃起障害)も漢方では陽虚が原因の一つといわれています。

 この陰気や陽気を食材や生薬で補い、さらに年齢による不足を補おうとするのも薬膳です。ニラ、エビ、羊肉、鹿肉、スズメ、ナマコ、クルミ、杜仲などが陽気を補く食材です。ちなみに、薬膳でEDの改善に用いられるのは、このうちエビ、ナマコ、鹿肉、スズメなど。

 陽気を補う食材はすべてが冷えの改善に用いられます。寒い季節、これらの食材を上手に利用して冷えを防ぎましょう。

 特にご紹介したいのは、中国の後漢末期に記された医学書に載っている「羊のスープ」。陽気を補う羊肉に、ショウガと当帰という血を補う漢方薬を加えて作られたスープです。このスープは冷えに悩む方、貧血の方、高齢者の虚弱、産後の貧血などに最適です。お肉が食べられない方には、スープだけでも薬効があります。

●お料理ヒント
羊肉150グラムは一口大に切り、酒大さじ2をかける。当帰5グラム、薄切りにしたショウガ6グラムを鍋に入れ、水3~4カップを注いで火にかけ、沸騰したら弱火にして10分ほど煮る。羊肉を加えてさらに30分ほど煮たら、塩で調味する。ネギの小口切りなどを振っていただく。好みでこしょうを加えてもOK。
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植木もも子 [料理研究家・管理栄養士・国際薬膳師]

健やか料理研究家、管理栄養士、国際中医師・国際中医薬膳管理師。
遼寧中医薬大学付属日本中医薬学院の薬膳講師を務める。原宿にて薬膳と栄養学双方を取りいれた美味しい季節の料理教室と初心者のための男性料理教室を主宰。企業、レストランなどの健康メニューの提案、開発等を手掛ける。NHKテレビテキスト『きれいの魔法』にて、「きれいになる薬膳レシピ」好評連載中。近著『夜九時ご飯』(新星出版社)『欝に効く、食べ物、食べ方。作りかた』共著(保健同人社)『毎日作らないおかずの手帳』日東書院など
「毎日の食事が人生を作る」「美味しく!楽しく!健康に!」をモットーに活動中
HP  http://www.peachtreekitchen.jp


東洋医学に学ぶ 旬な食生活

食養生は中国の古くから伝承されている、健康を維持するための知恵です。中国の伝統医学は4000年もの歴史を持つともいわれています。その基本となる考えは陰陽学と五行説の考え方です。特に「陰陽」はすべての基本となります。この連載では養生法、特に季節に合った食養生のお話をしていきます。

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