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「引きこもり」するオトナたち

「大人の発達障害」でも服用を認められた
待望の薬への期待と問題点

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第186回】

「大人のADHD」の待望の薬が承認
当事者も期待する大きな効果と副作用

 そんな中、大人のADHDへの「待望の薬」として当事者たちから期待されていた「コンサータ」(ヤンセンファーマ社)が、昨年12月20日に承認された。

 コンサータの正式名称は、メチルフェニデート塩酸塩。ドーパミンの再取り込みを防ぐことによって、不注意、衝動性、多動性などの症状を抑える。1回18mgの徐放剤のため、その効果は約12時間持続するという。

 ただし、大人のADHDと診断された人のうち、コンサータを使って効果があるのは「我々の印象では、ストラテラ(同じく薬物療法として承認されたアトモキセチン塩酸塩)とともに、5割から6割くらいではないか」(齊藤准教授)としている。

 コンサータが承認されて、1ヵ月以上が経過した。東京都新宿区で「大人の発達障害」のための「ネッコカフェ」を運営する、一般社団法人「発達・精神サポートネットワーク」 代表理事の金子磨矢子さんは、こう感想を語る。


「コンサータは、いままでは18歳までの子どもにしか認められていなかった薬なので、大人のADHDを抱えて困っている人たちは、早く解禁されるよう待ち望んでいました。 コンサータが保険適用になり、ひきこもっている人が外に出られるようになった、仕事に復帰できた、など救われた人は大勢います。ただ、集中できる時間は長時間の必要はないのです。朝飲みそびれてしまうと午後から飲むわけにいかないのがちょっと不便なところです。副作用としては食欲減退や睡眠しにくい状態、翌日に疲れが出るなどがあります。また、広汎性発達障害やASDなどの診断名の人には処方されない場合がありますので、ADHDを含んでいる人の場合はコンサータを出してもらいたいですね」

 齊藤准教授に、もう少し少ない量で処方できないものなのと聞いてみると、こう説明した。

 「1回18mgは量が多くて、それより少ない量ではどうかというと、成人の場合、最大72mgまで増量できるようになっています。また、多くの場合、18mgでは十分ではない患者さんのほうが圧倒的に多い。量を減らしていくような薬だとは認識していません」

 大人の発達障害でも、ASDなど、ADHD以外の診断だった場合には、適応外になるという。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

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