脳が育つ「2:1の法則」

 脳は、発言することで育ちます。

 逆にいえば、しゃべらなければ、人間の思考は停止します

 東大生は無口だと言いましたが、大学入学時点でとても優秀でも、そのあと学生時代の貯金をどんどん食いつぶして、40代で伸び悩むのが日本人。私はこの原因が「発言不足」にあると思っています。一方、内容が正しかろうが間違っていようがとにかく発言しまくるアメリカ人には、そういう「落ち込みの時期」がないように感じます。

発言は、いわば真剣勝負の「他流試合」です。自分の持ちうる知識を総動員して発言し、反論されたり論破されたりしても、また発言を繰り返す。ところが、発言という他流試合を放棄して、不戦のまますごしていくとどうなるでしょう?

 戦わないので「負け」はありません。そこで、大半の人が「不戦勝だ」と自分に都合よく解釈してしまうのです。不戦勝のまま生きてきた人は、他者とぶつかった経験がないから成長しません。自分に何が足らないのかわからないのです。

 ですから、成長を続けたいなら、発言をやめないこと

私が大切にしているのは「2:1の法則」。子どもにしろ、学生にしろ、人を育てる時には、自分は1、相手は2発言するように心がけています。育てられるほうに倍しゃべらせる。極論をいえば、しゃべらせておけば脳は勝手に伸びていきます。

 みなさんも、会議やミーティングで発言を躊躇することがあるかもしれません。でも、「完璧なことが言えるようになってから手を挙げよう」なんて、考えていたら、「不戦勝」のまま人生が終わってしまいます。自信がなくても発言する。そのうちに、気づくと自信は生まれているのです。

 次回の記事公開は2月26日です。


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