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面白いガジェットといかに出会うか?
私が「キックスターター」に投資したもの

松村太郎 [ジャーナリスト・著者]
【第14回】 2014年2月20日
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 キックスターターのウェブサイトには、たくさんのプロジェクトが登録されている。プロジェクトの概要をビデオを織り交ぜながら紹介し、出資者を募る。出資者は「Backer」とこの金額が目標に達すればプロジェクトは実現される。プロジェクトに共感したり、その作ろうとしている製品などが欲しいと思う人は、達成されるようソーシャルメディアで友人を誘うなどの活動が行われる。

 出資といっても上場益を狙ったり、収益分配を得たりするのではなく、単純なプロジェクトへの寄付や、製品やサービスの場合、金額に応じて出来上がった暁にはいち早く手にすることができる特典がある。そしてたいていの場合、一般に発売されるよりも割安の価格で、さらに何らかの特典が付けられることが多い。

 プロジェクトに出資すると、発起人から進捗のメールが届くようになる。デザインやエンジニアリングの進捗が伝えられ、量産や発送など、手元に製品が届くまで楽しみながら待つ事ができる。この様子を見ると、商品を購入する前から資金のメドと、初期の「ファン」を獲得しながら製品を立ち上げていくという新しい方法になっていることがわかる。

 しかしキックスターターで指摘されているのが、プロジェクトの数が増えすぎていることだ。テクノロジー系のメディアやブログなどがキックスターターから面白く良質なプロジェクトをピックアップするが、そうしたメディアに紹介される頃には初期のより特典の大きい出資のプランは売り切れていたり、出資期間が終わっていたりし、好きなプロジェクトに出資ができないことも多々ある。

 プロジェクトを行う側からすれば、こうした多数のプロジェクトに埋もれないように広めるにはどうすれば良いかを考えなければならず、ユーザーとしてどのようにしてプロジェクトと出会うかを最適化しなければならない。

 そして、届いたものが思い通りか、あるいはキチンと機能するかという点もレビューが必要だ。1度キックスターターで製品作りを成功させた人は、再び別のプロジェクトに取り組むパターンも有り、気に入った製品を作った人の「次」に着目すると、面白いプロジェクトを発見しやすくなるかもしれない。

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松村太郎
[ジャーナリスト・著者]

まつむら・たろう/1980年生まれ・米国カリフォルニア州バークレー在住のジャーナリスト・著者。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。近著に「スマートフォン新時代」「ソーシャルラーニング入門」など。

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スマホ、SNSなど、毎日の暮らしに欠かすことのできなくなったネット環境とデジタルツール。その一方で、セキュリティやプライバシーの問題、ツールへの依存、ネットコミュニティとの関わり方など、日々新たな問題が現れ、状況は変化している。私たちは「デジタルな日常」をどう生きていけばいいのか、米国シリコンバレー在住の記者が、生活者の目線で解説する。

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