ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
伝説のコンサルタントが教える! 面白いほど会社の実態がわかる決算書の読み方
【第5回】 2014年3月18日
著者・コラム紹介バックナンバー
後正武

連結決算を見て初めてわかる
グループ全体の事業内容

1
nextpage

前回は、キリンビールとアサヒビールを比較することで貸借対照表(B/S)について学んでいた経太くんと有価さん。今回の授業は、連結決算についてです。キリンビールといえばもちろんビールを製造している会社ですが、連結決算を見るととても意外なことがわかるそうです。

関連会社の業績も見て
初めて会社の実力がわかる

経太 先生、日本の有価証券報告書は1990年代までは単独決算が主流だったものが、2000年以降は連結を主体とするように変わったと聞いているのですが。
連結と単独というのはどう違うのですか。
なぜ連結決算を主体とするように変わったのですか。

先生 そうさね。理屈をいう前に、実際の数字を見て考えよう。
有価証券報告書の決算書から、今まで私たちが見てきたキリンビールの連結と単独の数字を拾って比較してごらん。

二人は先生に教わりながら、平成17年度の連結と単体の損益計算書の比較表をつくりました。

経太 あの、連結の売上高は単独の1.74倍もある。

有価 営業利益は、1.91倍、2倍に近いわ。
経常利益や税引前利益だって1.5倍を越えています。

先生 君たち、どちらが、キリンビールの本当の姿だと思うかね。
どうしてこんなに違うんだろうね。

有価 あ、わかった。キリンの貸借対照表に、7,413億円の投資がありましたよね。
連結というのは、投資先の子会社や連結会社を含む、グループ全体の業績を示すのですね。だから投資の効果が表れて、グループ全体の売上げや利益が大きくなるわけですね。

経太 だとしたら、キリンビールの本当の実力は単独の売上げや利益を見るのでは不十分で、関連会社の業績も考えなければならないのですね。

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
ダイヤモンド・オンライン 関連記事
自分の時間を取り戻そう

自分の時間を取り戻そう

ちきりん 著

定価(税込):本体1,500円+税   発行年月:2016年11月

<内容紹介>
生産性は、論理的思考と同じように、単なるスキルに止まらず価値観や判断軸ともなる重要なもの。しかし日本のホワイトカラー業務では無視され続け、それが意味のない長時間労働と日本経済低迷の一因となっています。そうした状況を打開するため、超人気ブロガーが生産性の重要性と上げ方を多数の事例とともに解説します。

本を購入する
著者セミナー・予定
(POSデータ調べ、11/20~11/26)


注目のトピックスPR


後 正武(うしろ まさたけ)

1942年生まれ、東京大学法学部卒業。新日本製鐵勤務中にハーバード大学経営学修士(MBA・ディスティンクション)のち、マッキンゼー・アンド・カンパニー(パートナー)、ベイン・アンド・カンパニー取締役副社長/日本支社長を経て、現在東京マネジメントコンサルタンツ代表。ビジネス・ブレークスルー大学大学院教授。著書に『伝説のコンサルタントが教える あまりにやさしい会計の本』『意思決定のための「分析の技術」』(ともにダイヤモンド社)などがある。


伝説のコンサルタントが教える! 面白いほど会社の実態がわかる決算書の読み方

決算書を読み解くことは難しい、と思っている人は少なくない。
けれど、「用語の正しい意味」と「経理のしくみ」がわかれば、決算書は小学校高学年(4年以上)の算数で十分に読み解くことができる。
さらに、ひとつの決算書を単独で検討するより、同じ会社の2つの年度を比較したり、あるいは同業他社の決算書を比較したりすれば、会社の実態が浮き彫りになって、面白いほど決算の内容を深読みすることができる。
この連載では、会社の業績を示す「損益計算書」「貸借対照表」「連結決算」を、すべて会話、すべて実例(ケース)で深く、わかりやすく説明する。

「伝説のコンサルタントが教える! 面白いほど会社の実態がわかる決算書の読み方」

⇒バックナンバー一覧