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伝説のコンサルタントが教える! 面白いほど会社の実態がわかる決算書の読み方
【第4回】 2014年3月13日
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後正武

同じビール会社でも
貸借対照表(B/S)を読むと、こんなに違う!

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今まで、主に日産自動車の損益計算書(P/L)を分析してきた経太くんと有価さん。今回からは貸借対照表(B/S)を学びます。分析対象になる企業はキリンビールとアサヒビール。同じビール会社ですが、貸借対照表(B/S)を見ると、両社の違いが明らかになります。

損益計算書からはわからない
アサヒビール苦難の歴史

先生 さて、キリンビールとアサヒビールはどちらも規模も収益力もあるしっかりした会社だが、貸借対照表の中身には大きな差がある。

経太 どうしてですか。損益計算書では、平成17年度の売上げ、営業利益、経常利益、税引前利益は大差がないように見えますが。

先生 それはね、キリンビールはかつては「三菱グループの金庫番」とも言われて、堅実なグループの中でも特に業績のよい会社であり続けたのに対して、アサヒビールは1980年代に「倒産の可能性すらある」危機をくぐり抜けてきた会社だからだ。リストラの爪痕も、1兆円をこえる大量負債に苦しんだ痕跡も残っている。その歴史がそのまま対照表に表れているからだよ。

先生は、同社の前会長・瀬戸雄三氏が書いた日経新聞の「私の履歴書」からのメモを見せました。

経太 へえ、アサヒビールは、1953年シェア30%で業界トップだったのが、1980年代にはシェア10%に落ちて倒産の危機に瀕したことがあったのですね。

有価 それが87年のスーパードライの大ヒットから業績が急回復した。
長い間銀行から社長を派遣してもらっていたのが、1992年に生えぬきの瀬戸さんが社長になって、1998年にようやくかつてのシェア30%を回復した、というわけですか。

先生 シェア低下時に、設備や人員のリストラをした。そこから急回復時には生産能力が不足して、増資と借金による大胆な設備投資などを経験した。
その歴史が貸借対照表に色濃く反映されているわけじゃよ。

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後 正武(うしろ まさたけ)

1942年生まれ、東京大学法学部卒業。新日本製鐵勤務中にハーバード大学経営学修士(MBA・ディスティンクション)のち、マッキンゼー・アンド・カンパニー(パートナー)、ベイン・アンド・カンパニー取締役副社長/日本支社長を経て、現在東京マネジメントコンサルタンツ代表。ビジネス・ブレークスルー大学大学院教授。著書に『伝説のコンサルタントが教える あまりにやさしい会計の本』『意思決定のための「分析の技術」』(ともにダイヤモンド社)などがある。


伝説のコンサルタントが教える! 面白いほど会社の実態がわかる決算書の読み方

決算書を読み解くことは難しい、と思っている人は少なくない。
けれど、「用語の正しい意味」と「経理のしくみ」がわかれば、決算書は小学校高学年(4年以上)の算数で十分に読み解くことができる。
さらに、ひとつの決算書を単独で検討するより、同じ会社の2つの年度を比較したり、あるいは同業他社の決算書を比較したりすれば、会社の実態が浮き彫りになって、面白いほど決算の内容を深読みすることができる。
この連載では、会社の業績を示す「損益計算書」「貸借対照表」「連結決算」を、すべて会話、すべて実例(ケース)で深く、わかりやすく説明する。

「伝説のコンサルタントが教える! 面白いほど会社の実態がわかる決算書の読み方」

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