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日の丸製造業を蘇らせる!“超高速すり合わせ型”モノづくりのススメ

「中国人のせいで現場が立ち上がらない」は本当か?
海外進出企業を混乱させる“技術伝承置き去り”の実態

松本晋一 [株式会社O2/株式会社XrossVate/株式会社安田製作所代表取締役]
【第2回】 2014年2月19日
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 「日本の製造業は危機に瀕している」と言われる。世間ではその理由として、不況やグローバル競争の激化などが唱えられている。しかし、本当にそうだろうか? 長年、製造業の改革と向き合ってきた筆者には、その原因は企業の「ゲンバ」の奥深くにあるように思えてならない。

 そう、ゲンバにおける「技術力の低下」こそが、日本の製造業がグローバルで苦労している最大の原因ではないかと感じることが増えてきた。多くの企業関係者が口にする「日本企業は事業で負けても、技術では勝っている」という言葉は、単なる言い訳に過ぎない。

 詳しくは連載第1回をお読みいただきたいが、筆者は多くの企業のゲンバが悩む「技術力の相対的低下」という現状の背景に、「技術伝承の放置」と悪い意味での「部分最適思考」という、2つの本質的課題があると見ている。

 これらの課題を克服し、効率的な「超高速すり合わせ型モノづくり」の仕組みをつくり上げない限り、日本のゲンバがかつての技術力を取り戻し、グローバルで勝ち残ることは難しいのではないだろうか。

 今回からしばらくは、本質的課題の1つである「技術伝承の放置」について考察していきたい。企業のゲンバは技術伝承の欠如にどう対処すればいいのか。また、技術伝承のどんな仕組みを新たに構築すればいいのか。筆者のこれまでのコンサル経験をベースに、具体的なケースやノウハウを交えながらお伝えしていきたい。企業のゲンバで試行錯誤を続ける関係者の一助になれば幸いである。

本当に中国人のせいだけなのか?
海外のゲンバが立ち上がらない理由

 「技術伝承は大切な経営課題ですか?」と質問すれば、ほぼ誰もが「イエス」と答えるだろう。しかし、それを最優先事項の1つと位置付けている企業は少ない。

 技術は経営資源と考えている。この経営資源を磨き続け、継いでゆくことで、日の丸製造業がもっと強くなると筆者は考えている。まずは、グローバル競争における苦戦と技術伝承の関係に関して、もう少し掘り下げてみたい。

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松本晋一 [株式会社O2/株式会社XrossVate/株式会社安田製作所代表取締役]

株式会社O2(オーツー)株式会社XrossVate(クロスベイト)株式会社安田製作所代表取締役。1970年生まれ。千葉県出身。早稲田大学政治経済学部経済学科卒。大手化学メーカー、外資系ITベンダーのディレクター、コンサルティングファームのディレクターなどを経て、2004年株式会社O2を設立、代表取締役就任。2013年に新会社XrossVateを設立。2014年に射出成型用金型メーカ株式会社安田製作所に出資を行い経営参画。


日の丸製造業を蘇らせる!“超高速すり合わせ型”モノづくりのススメ

日本の製造業は危機に瀕していると言われて久しい。様々な業界関係者が口にする「日本企業は技術で勝っても事業で負けている」という言い訳は、本当に正しいのか。実は、日本のゲンバにはもっと根深い本質的な課題がありそうだ。日本企業の5重苦、7重苦の原因は、日本の技術力の低下そのものにあり、その原因は大きく「技術伝承」の放置と悪い意味での「部分最適思考」の2つにある。製造業を中心に大手企業のコンサルティング業務を手がけ、企業のゲンバと深い付き合いを続けてきた株式会社O2(オーツ―)の松本晋一代表取締役が、“超高速すり合わせ型”モノづくりの極意を説く。

「日の丸製造業を蘇らせる!“超高速すり合わせ型”モノづくりのススメ」

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