ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
宅森昭吉の景気の「気」を読む

景気拡大基調局面の持続確率は約4分の3
サッカーW杯の帰趨が増税後の消費回復のカギ

宅森昭吉 [三井住友アセットマネジメント理事・チーフエコノミスト]
【第6回】 2014年2月24日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

17日に、13年10~12月期実質GDP成長率が発表された。最近、今回の実質GDPなど事前の予想に比べて弱含んだ経済指標も出ている。発表後の市場関係者のコメントをみても表面的なものが多く、重要なポイントを見落としているようだ。4月に消費税率引き上げが予定されているため、先行指標に弱含むものが出てきている。多くの人が気になっている消費税引き上げ後の景気動向について、今回は最新の経済指標を詳しくみることで予測しよう。

弱く出た10~12月期
実質成長率の裏側

 13年10~12月期実質GDP成長率第1次速報値は前期比年率+1.0%と、事前の+2~3%程度という予測より弱めの成長率になった。プラス成長は4四半期連続となった。

 4四半期連続にとどまり5四半期連続のプラス成長にならなかったのは、前期比年率+0.6%とプラスの伸び率だった12年10~12月期実質GDP成長率が0.8ポイントも低下し、同▲0.2%とマイナス成長になったためだ。GDP統計では、毎回最新四半期までのデータを用いて季節調整をかけなおすため、過去に遡ってパターンが変わり、原数値がほとんど変わらなくても季節調整値がかなり変化することがある。

 季節調整値というのは月次データや四半期データで経済を見るときに実勢を正しくとらえるために、原数値から毎年のほぼ同じような規則的変動を除去した値である。最近の季節調整法は時系列モデルで原数値を将来にまで伸ばし、それに移動平均などの手法を用いることで季節調整値を求めている。08年9月にリーマンショックが起こった直後の10~12月期以降の数字は大幅に悪化した。特殊要因として一時的な落ち込みで処理できないレベルであった。時系列モデルで原数値を延長することで、これまで10~12月期は弱めに原数値の数字が出やすい時期だと判断され、高めの季節調整値になるよう調整されてきたと思われる。そのため季節調整値ベースの10~12月期の前期比が高めに出やすい傾向にあったのだろう。

 リーマンショックから時間が経過してきたことから、時系列モデルで延長される部分において10~12月期が弱含むパターンが変化し、結果として足元の10~12月期の前期比がやや弱めに出やすくなったと考えられよう。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

宅森昭吉 [三井住友アセットマネジメント理事・チーフエコノミスト]

たくもり・あきよし/三井住友アセットマネジメント 理事・チーフエコノミスト。1957年東京生まれ。1980年3月慶應義塾大学経済学部卒業、同年4月三井銀行(現、三井住友銀行)入行。調査部、市場営業部などを経て94年11月さくら証券チーフエコノミストに。2001年4月さくら投信投資顧問チーフエコノミスト、02年12月三井住友アセットマネジメント、チーフエコノミスト、12年4月1日より現職。主な著書に『ジンクスで読む日本経済』(東洋経済新報社)、「日本経済『悲観神話』はもういらない」(中央公論新社)など。内閣府「景気ウォッチャー調査研究会」委員、日本経済研究センター「ESPフォーキャスト調査委員会」委員、景気循環学会・常務理事も務める。


宅森昭吉の景気の「気」を読む

景気を決めるものは何でしょうか。消費動向、企業の設備投資、海外の経済状況……。いろいろありますが、大切なのは景気の「気」。三井住友アセットマネジメント理事・チーフエコノミストの宅森昭吉さんが、難しい経済指標だけではなく、プロ野球の日本シリーズの組み合わせ、ヒットしたテレビドラマ、天候などなど、社会の森羅万象の動きから、景気の現在とこれからを読み解きます。

「宅森昭吉の景気の「気」を読む」

⇒バックナンバー一覧