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週末は田舎暮らし ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記
【第4回】 2014年3月7日
著者・コラム紹介バックナンバー
馬場未織

ゼロから始める「週末田舎暮らし」
田舎で理想の土地は手に入るのか?
【第4回】運命の土地との出合い

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東京生まれ、会社勤め、共働き、子ども3人。「田舎素人」の一家が始めた、東京‐南房総を毎週末往復する「二地域居住」という暮らし方。一家がようやく巡り合った運命の土地にもいろいろな問題が見つかっていく…。新刊『週末は田舎暮らし』から、本文を一部抜粋して紹介する4回連載の最終回。

運命の土地

前回の記事はこちら

 分からないことだらけの物件探しで学んだことは、「分からないことは不動産屋さんに直接質問するに限る」。すぐさまこの南房総の物件に関する問い合わせフォームに、もっとも知りたかった2点を記入、送信しました。

 「平坦地はどれくらいありますか?」
「農地の売買はできるのですか?」

 すると、ほどなくこんな返事が返ってきました。

 「平坦地は2500坪以上あります」
「農地は、物件に居住していただければ取得できます」

 これを見た夫は、普段からぎょろんとした目をさらにくわっと開けて叫びました。

 「おお! 広いぞ! それでポルシェ価格か? 現実的じゃないか。とりあえず見に行く価値はあるよなあ!」

 そうだねえ、と相槌を打ちながら、わたしはでもなんとなく半身引いていました。農地って本当に住むだけで取得できるのか? ”南房総市”ということは房総半島の南端、遠すぎやしないか? そして広すぎやしないか? 第一、安すぎやしないか? と。わたしがもうひとつ学んでいたことは「質問への回答は、重要さも重大さも重さ半減で表現されている場合が多い」ですから。

 「まあでもさ、見るだけ見てみようよ。何しろ、8700坪だぜ! インフラ完備だぜ!」

 お金に目が眩む人はよくいますが、これまで「使用可否不明井戸あり上水なし」や「廃屋あり現状渡し」の物件を見続けているためか、広さだとか、インフラだとかに目が眩む夫。まあ、百聞は一見にしかずです。
 早速不動産屋さんとアポをとり、現地へと向かったのは、翌々日の早朝のことでした。この日はまず、仲介の不動産事務所で待ち合わせ。聞けばこの物件、売り主さんが月に数回来て農地や家の管理をしているらしく、「鍵をあずかっていますんで、家の中にも入れますよ」とのこと。本当に即入居が可能なようです。

 それから、あのー、わたしたち農家じゃないですけれども、”本当に”農地を買うことができるんですか? と一番気になることを直接確認すると、「宅地のようにすぐに登記できるってわけにはいかないんですがね、まあ段取りを踏めば大丈夫ですよ」と、さらり。

 さらりと言われたからといって、さらりと進むわけないんだよな、だいたい段取りってなんだろうと訝りつつも、「とりあえず細かいことは、土地を見てみてからお話ししましょうか」とおっとり笑う不動産屋さんの赤い車についていきました。

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馬場未織 

 

1973年東京都生まれ。1996年日本女子大学卒業、1998年同大学大学院修了後、建築設計事務所勤務を経て建築ライターへ。プライベートでは2007年より家族5人とネコ2匹、その他その時に飼う生きものを連れて「平日は東京で暮らし、週末は千葉県南房総市の里山で暮らす」という二地域居住を実践。東京と南房総を通算約200往復する暮らしの中で、里山での子育てや里山環境の保全・活用、都市農村交流などを考えるようになり、2011年に農家や建築家、教育関係者、造園家、ウェブデザイナー、市役所公務員らと共に任意団体「南房総リパブリック」を設立し、2012年に法人化。現在はNPO法人南房総リパブリック理事長を務める。メンバーと共に、親と子が一緒になって里山で自然体験学習をする「里山学校」、東京に野菜の美味しさを届ける「洗足カフェ」(目黒区)、里山環境でヒト・コト・モノをつなげる拠点「三芳つくるハウス」の運営などを手掛ける。

 


週末は田舎暮らし ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記

山崎亮氏推薦!「すごくアナログだけど、とても未来的な生活だ。」東京生まれ、会社勤め、共働き、子供3人。「田舎素人」の一家が、都会と里山の往復生活を通して、手さぐり体当たりで見つけたこれからの豊かで新しい暮らし方。土地探しから地域との関わり方、家庭菜園まで、等身大のデュアルライフ入門。

「週末は田舎暮らし ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記」

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