世界最大のモバイル分野の展示会「モバイルワールドコングレス」(以下MWC、今年の展示会を指す場合はMWC2014)が、今年もスペイン・バルセロナで開催された。

 ここ数年の傾向だが、MWCの開催時期が年を追うごとに後ろにずれている。来年のMWC2015はいよいよ3月上旬の開催となるとアナウンスされていた。最大の理由は、やはり中国。旧正月の大混乱が落ち着いてからでないと、MWCにまともな対応ができないという彼らのお国事情に、MWC側も最大限配慮しているのだろう。

 裏返せば、中国の存在感が、ことほどさように強まっているということでもある。実際、MWCの会場はおろか、そもそもバルセロナの空港に降り立ったその瞬間から、中国ベンダーのロゴばかりが視界に入り、招待客や関係者用と思われる専用ブースがゲートを出てすぐのところに並んでいた。

 年度末を迎える日本の私としては、この日程はどうにも厳しい。著述を専門とされる方ならさておき、本業のコンサルティングを抱えている手前、今年も多方面に迷惑をかけながら、現地滞在48時間強という強行軍を実施した。3月になってしまったら、来年こそはいよいよ行けないのではないかと、いまから恐れおののいている。

 それでも、MWCに関しては、よほどの事情がなければ、見送ることができない。スマートフォンとLTEが全盛時代に入った日本市場は、すでにグローバル市場のトレンドと足並みを揃えざるを得ない状況である。そのトレンドや空気感が決まるのが、MWCなのだ。

 そんなわけで、やや速報的ではあるが、私なりのレポートをまとめておきたい。