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三谷流構造的やわらか発想法

「ビジネスモデル」とは何者か?
~ネットビジネスのお化粧かイノベーションの源か

三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]
【第82講】 2014年3月20日
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経営用語としての「ビジネスモデル」
実はその定義は定まっていない

 このちょっと野暮でものすごく曖昧(あいまい)なビジネス用語は、これまで数奇な運命を辿ってきました。無視されたり、ほめられたり、貶されたり、そして、尊敬されたり。

 IESEのクリストフ・ゾット、ペンシルバニア大学のラファエル・アミットらの2010年の論文『ビジネスモデル』(*1)によれば、この便利な言葉にはまだ定まった定義がなく、使う側も4割弱はそんなことには拘らずに(つまり無定義のまま)使っています。また、他の言葉での言い換えも「set」「statement」「architecture」「description」「method」「structural template」「pattern」「framework」などと喧(かまびす)しいかぎり。

 ビジネスモデルという用語は、『マネー・ボール』の著者で作家マイケル・ルイスが言うとおり、「いい加減な事業プランにもったいをつけるため」の言葉に過ぎないのでしょうか。「ビジネスモデル」とはいったい何者で、なんの役に立つのでしょうか。

 ゾットたちはそのビジネス用語としての歴史を3期に分けて論じました。


1期は、はるか昔から1990年頃までです。

 ビジネスモデルというコンセプトや言葉は存在していたものの、大して見向きもされず、ときどき使われるくらいの言葉でした。本当はそれによって多くのイノベーション(革新)が生まれていたというのに。

 しかし2期、1991年頃から2001年まででいきなりの絶頂を迎えます。「ネットビジネスの説明」用として。

*1 "The Business Model : Theoretical Roots, Recent Developments, and Future Research"(2010)

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三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]

1964年大阪生まれ、福井育ち。小1のとき読書と読みかじりを人に教える快感に目覚め、駿台予備校では教えることの技術に衝撃を受ける。東京大学 理学部物理学科卒業後19年半、BCG、アクセンチュアで戦略コンサルタントとして働く。2003年から06年までアクセンチュア 戦略グループ統括。途中、INSEADでMBA修了。
2006年から教育の世界に転じ、社会人教育と同時に、子どもたち・親たち・教員向けの授業や講演に全国を飛び回る。「決める力」「発想力」と「生きる力」をテーマに毎年8000人以上と接している。現在K.I.T.(金沢工業大学)虎ノ門大学院 主任教授(MBAプログラム)の他に、早稲田大学ビジネススクール、グロービス経営大学院、女子栄養大学で客員教授、放課後NPO アフタースクール及びNPO法人 3keys 理事を務める。永平寺ふるさと大使。
著書多数。『一瞬で大切なことを伝える技術』(かんき出版)は啓文堂書店2012ビジネス書大賞、『経営戦略全史』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)はダイヤモンドHBRベスト経営書2013第1位、ビジネス書大賞2014大賞、『ビジネスモデル全史』(同)はHBRベスト経営書2014第1位となった。
HPは www.mitani3.com

 

 


三谷流構造的やわらか発想法

発想法ってなんのために存在するのでしょう? ヒトと違うアイデアや答えを出すためです。統計的に有意な戦略なんて、定義により無価値ですし、統計的に正しい発想法なんてあるわけがありません。発想に「普遍性」や「高確率」を求めるなんてそもそも矛盾しているのです。発想法も、然り。これまでと違うものを生み出すには、新しい発想法がいま求められているのです。

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