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週刊ダイヤモンド特集
「速攻!『営業』学」の補講を試みる

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第321回】 2014年3月19日
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興味深い週刊ダイヤの「『営業』学特集
買い手側の心理と論理の分析を補講する

 今週の『週刊ダイヤモンド』(3月22日号)の特集は、「速効! 『営業』学 一流講師陣の集中講義」だ。筆者は、昨年の10月9日付けの本連載で、「『経営学部』よりも『営業学部』が必要だ」と書いていたので、週刊ダイヤモンド編集部がこれに応えてくれたようないい気分になった(もちろん、筆者が編集部を動かしたわけではないが)。

 しかも今回の特集号は、登場メンバーが豪華だ。「近代マーケティングの父」ことフィリップ・コトラー氏がマーケティングと営業の関係を語り、有名経営コンサルタントの大前研一氏、神田昌典氏が、対象顧客数による営業方法・スキルの違い(大前氏)、マーケティングとセールスの役割分担(神田氏)などを説く。いずれも大家たちによる総論である。

 加えて、斎藤孝氏がコミュニケーション力を、『伝え方が9割』(ダイヤモンド社)の著者・佐々木圭一氏がメールで気持ちを伝える技術を、またメンタリストのDaiGo氏が顧客を動かす「営業心理学」を、さらにプルデンシャル生命の川田修氏が「ビジネスマナー論」を開陳している。こちらは、それぞれの道で一流の業師たちによる各論の位置づけだ。

 特集号全体を通して、営業学の1日セミナーのテキストになりそうな、お得な内容だ。仮に、これらの講師を全員呼んだら、いったいいくらの講演料になって、どんな値付けのセミナーになるか恐ろしいくらいのものだが、『週刊ダイヤモンド』だけなら、消費税率引き上げ前だったら690円で買える。

 さて、当代一流の大家や業師たちの講義に、営業経験の乏しい営業劣等生的ビジネスマンである筆者が補講を行うのも甚だ僭越だが、今回の営業学には1つだけ不満な点がある。それは、いずれも売る側の視点と文脈から営業が説かれていて、「営業」という行為の深層を含む全貌が捉えられていないように見えることだ。端的に言って、買い手の側の心理と倫理を正確に分析する視点が欲しいのだ。

 「営業学(部)が欲しい」といった手前、拙いながら、営業のこのような側面を掘り下げてほしいと未来の「営業学部」カリキュラムに筆者が望む内容について、補講を試みよう。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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