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世界を巻き込む。【エッセンシャル版】――日本のモノづくりで途上国のブルー・オーシャンをつかむために
【第2回】 2014年3月20日
著者・コラム紹介バックナンバー
中村俊裕 [米国NPOコペルニク 共同創設者兼CEO]

なぜ日本企業は
途上国のブルー・オーシャンに気づけないのか?
24.7億人が抱える6つのニーズのつかみ方

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「グローバルな舞台で戦える企業に」
「途上国で受け入れられる製品づくりを」

企業がグローバル展開、特に途上国を中心としたBOP市場に出ていく必要性についての認識は広まってきた。しかし、途上国のマーケットについて、その実態を理解している企業やビジネスパーソンはどのくらいいるのだろう。
いま、そうした途上国の「真のニーズ」を知っている、あるNPOが世界中から注目を集めている。その名は、コペルニク(Kopernik)。国連、世界銀行、マサチューセッツ工科大学(MIT)だけでなく、パナソニックなどの伝統的なモノづくり企業から協業のオファーが殺到しているグローバルな組織だ。
コペルニク共同創設者で、初の著書『世界を巻き込む。』を上梓したばかりの中村俊裕氏に、日本企業がグローバルに成功するためのエッセンスを聞いていく連載の第2回となる今回は、途上国の9割の人が抱える6つのニーズについて聞いた。途上国にある「ブルー・オーシャン」をつかむために、いま何をするべきなのか。(構成:廣畑達也)

インドネシアの消費者の9割は、農村部にいる
―― ニーズを探す場所を間違えていないか?

――「BOPビジネス」が日本でも言われるようになってすでに長い時間が経っていますが、海外への進出で苦労している企業はいまだに多いと聞きます。中村さんは、何がその原因だと見ていますか?

中村 端的に言うと、「生活シーンを知らなさすぎる」という言葉に集約されます。ニーズの把握がままならないのも、製品を流通させることができないのも、結局は「その土地に暮らす人について知らないこと」がすべての原因です。

――それは企業でもリサーチしていそうなものですが……。

中村 都市部の調査であれば、うまくいっている企業もあるかもしれません。しかし、途上国の消費の大部分は、農村部です。そこまでカバーして調べきれている企業は、ほとんどないのが実情ではないでしょうか。

――農村部にこそ、巨大なマーケットがある?

中村に都市部で生活をしている年収3000ドル以上の世帯はインドネシアでも180万人、人口の1%以下にすぎません。具体的にエネルギー市場を見てみると、市場規模の約半分が、コペルニクがターゲットにしている1日3ドル以下で暮らす農村部の貧困層に集中しています。

 実際には、日本企業と連携することが増えた今でも、いまだによく聞かれる質問は、「途上国ではどういうニーズがあるんですか?」というもの。「途上国には行ったことがなく、想像もつきません」という人もいれば、「会社の意思決定が遅く、なかなか市場調査にも行けません」という人もいます。

 調査会社にお願いしたのに、見たことのあるケーススタディしか出てこない、という嘆き節を聞いたことも一度や二度ではありません。

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中村俊裕 [米国NPOコペルニク 共同創設者兼CEO]

京都大学法学部卒業。英国ロンドン経済政治学院で比較政治学修士号取得。国連研究機関、マッキンゼー東京支社のマネジメントコンサルタントを経て、国連開発計画(UNDP)で、東ティモールやシエラレオネなどで途上国の開発支援業務に従事。アメリカ、スイスでの国連本部業務も経験し、ソマリア、ネパール、スリランカなど紛争国を主にカバーしていた。
2009年、国連在職中に米国でNPO法人コペルニクを設立。アジアやアフリカをはじめとする途上国の、援助の手すら届きにくい最貧層が暮らす地域(ラストマイル)へ、現地のニーズに即したシンプルなテクノロジーを使った製品・サービスを提供する活動を行い、貧困層の経済的自立を支援している。
2010年、2011年には、クリントン元米大統領が主催するクリントン・グローバル・イニシアティブで登壇。2011年にはテック・クランチが主催する「クランチーズ」で表彰。2012年、世界経済会議(ダボス会議)のヤング・グローバル・リーダーに選出された。また、テレビ東京系の「ガイアの夜明け」やNHKなどメディアへの露出も増加している。現在は大阪大学大学院国際公共政策研究科招聘准教授も務め、マサチューセッツ工科大学(MIT)、コロンビア大学、シンガポール大学、オックスフォード大学、東大、京大など世界の大学で講演も行っている。2012年、ダイヤモンド・オンラインに連載「世界を巻き込む途上国ビジネス」を寄稿。著書に、『世界を巻き込む。』がある。
☆中村氏twitterアカウント: toshikopernik
☆コペルニク・ジャパンfacebookページ: http://www.facebook.com/kopernikjapan


世界を巻き込む。【エッセンシャル版】――日本のモノづくりで途上国のブルー・オーシャンをつかむために

いま、あるNPOが世界中から注目と支持を集めている。
その名は、コペルニク(Kopernik)。
「モノづくりの新しい可能性を感じさせるテクノロジーを集めたNPO」
「誰もが納得できるかたちで寄付できるオンライン・マーケットプレイス」
「クラウドファンディングを活用したマッチングモデル」
「途上国の真のニーズを拾い上げることができる組織」
などなど、その多様な側面から、国連や世界銀行といった国際機関、マサチューセッツ工科大学(MIT)や慶応大学などの大学、スタンフォード大学発のベンチャー企業といった、世界をリードする企業、組織から協業のオファーが殺到、世界中でともにプロジェクトを行っている。また最近では、企業、なかでも途上国への進出で悩む伝統的なモノづくり企業からもアツい注目を集め、パナソニックをはじめとして、多くのプロジェクトが進む。

その団体を率いるのが、共同創設者兼CEOの中村俊裕氏。マッキンゼー、国連を経てニューヨーク、そしてインドネシアで起業したグローバルリーダーで、2013年にはダボス会議のヤング・グローバル・リーダーにも選出された人物だ。
本連載では、初の著書『世界を巻き込む。』を上梓した中村氏に、
・BOPビジネス:途上国の本当のニーズのつかみ方
・日本のモノづくりの可能性と、世界でその技術を活かすための条件
・企業とNPOが手を携えることで得られるメリットとは
・グローバルに活躍できる人材とは
などのテーマでそのエッセンスを語っていただいた。モノづくりに携わる人必見。

「世界を巻き込む。【エッセンシャル版】――日本のモノづくりで途上国のブルー・オーシャンをつかむために」

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