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【BCG×フロントランナー化学反応スパーク対談】

「完璧な自分」を、あなたは諦められますか?
アスリートソサエティ 代表理事・為末大
×BCG日本代表・水越豊【前編】

為末大 [アスリートソサエティ 代表理事],水越 豊 [ボストン コンサルティング グループ 日本代表]
【第11回】 2014年3月20日
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陸上スプリント種目の世界大会で日本人初のメダルを獲得した為末大さん(右)とBCG日本代表・水越豊さん

「努力なしで世界で勝てますか?」と聞かれたら、多くの人は「いいえ」と答えるだろう。しかし、次のように問われたら、あなたはどう答えるだろうか?

「努力だけで世界で勝てますか?」

今回の対談ゲストは元陸上選手の為末大氏だ。男子400メートルハードルの日本記録保持者(2014年3月現在)で、元プロ陸上選手の為末氏は陸上競技の中でもとりわけ競技人口の多い100メートルから400メートルハードルに転向し、陸上スプリント種目の世界大会で日本人初のメダルを獲得した。その際に、彼がとった戦略は「諦めること」だという。

ともするとネガティブに聞こえがちなこの言葉には、為末氏なりの深いメッセージが込められている。ボストン コンサルティング グループ日本代表の水越豊氏が先のソチオリンピックを振り返りながら、スポーツとビジネスで必要な「生き延びるための戦略」について、為末氏と語り合った。
(構成 曲沼美恵/撮影 宇佐見利昭)

「もう少しで成功するから頑張る」と
「ここまでやってきたのだから頑張る」は違う

水越 為末さんの近著『諦める力』(プレジデント社)を拝見して感じたのは、「諦める」とは「卒業する」という意味かな、ということです。日本語で卒業というと、何かの終わりを感じさせますが、アメリカでは学位授与式のことを「Commencement(コメンスメント)」と言い、「新しい生活の始まり」という意味を含みます。為末さんが使われている「諦める」という言葉にも、そういう前向きなニュアンスを感じたのですが。

為末 おっしゃるように、「諦める」という言葉は日本語だと否定的なニュアンスの強い言葉です。でも、漢和辞典で調べると、そこには真っ先に「あきらかにする」「つまびらかにする」という意味が記されています。諦めるためにはまず、自分自身の能力を正確に把握しなければならない。つまり、諦めるという言葉には本来、「自分の才能や能力、置かれた状況などをよく理解し、今、この瞬間にある自分の姿を悟る」という意味が含まれているのかな、と思いました。

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為末大 [アスリートソサエティ 代表理事]

ためすえ・だい/スプリント競技における日本初の「プロ陸上選手」。男子400mハードル日本記録保持者(47秒89、2013年3月現在)。世界選手権で二度の銅メダルを獲得、五輪はシドニー、アテネ、北京の3大会に連続出場。2012年に現役を引退。 現在、アスリートのセカンドキャリアを支援する、社団法人アスリートソサエティ代表理事、R.project取締役、地元広島でランニングクラブ「CHASKI」を運営。執筆、講演、コメンテーターなど、多方面でスポーツと社会についての活動を広げている。競技に打ち込む独自のスタイルと自分を見つめて思索する姿が感銘を呼び、「侍ハードラー」または「走る哲学者」と言われている。著書には、「走る哲学」(扶桑社)、「走りながら考える」(ダイヤモンド社)、「諦める力」(プレジデント社)がある。

水越 豊 [ボストン コンサルティング グループ 日本代表]

みずこし・ゆたか/東京大学経済学部卒業。スタンフォード大学経営学修士(MBA)。新日本製鐵株式会社を経て現在に至る。BCGテクノロジー・メディア・テレコミュニケーション・プラクティス、ヘルスケア・プラクティス、エネルギー・プラクティスのコアメンバー。なでしこリーグへの無償のコンサルティング支援(プロボノ・プロジェクト)を担当。著書に 『BCGG戦略コンセプト』(ダイヤモンド社)、また監修に『新興国発 超優良企業 GLOBALITY』(講談社)がある。学生時代はラグビー部に所属。幅広い競技に対して解説者並みの知見を持つBCGのスポーツ博士。


【BCG×フロントランナー化学反応スパーク対談】

ボストン コンサルティング グループ(BCG)は世界をリードする戦略系経営コンサルティングファームである。そのパートナーが、ビジネス界とは異なる世界で活躍するフロントランナーへのインタビューを通じて、ビジネスパーソンが直面する課題解決への示唆を紡ぎだす。ビジネス外のプロフェッショナルとビジネスのプロが率直に語り合う異種格闘技戦。思いもかけない化学反応がおき、ビジネスパーソンにとって大きなヒントが導き出せるだろう。

「【BCG×フロントランナー化学反応スパーク対談】」

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