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加藤嘉一「中国民主化研究」揺れる巨人は何処へ

議論は公開されても結局は“密室政治”
全人代&政協会議から考える中国民主化の現状

加藤嘉一
【第25回】 2014年3月25日
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 3月3日〜13日、中国北京では「両会」という一年に一度の政治行事が開催された。本年度の政策があらゆる統計やデータとともに公布され、それらが審議される「全国人民代表大会」(以下“全人代”)と民主党派や経済界・文化界などの代表者が一度に集結し、党指導部へ政策提言をする「中国人民政治協商会議」(以下“政協”)が同時進行で開催されることから「両会」と呼ばれる。

 中国共産党指導部がこれからどのような政策を打ち出していくのか、そしていま中国社会ではどのような問題に関心が集まり、それらがどのように議論されているのかを理解する上で重要な“政治祭”であり、私たちにとっては、情報収集&国情分析という意味でも極めて重要な意味を持っている。

 本稿では、「両会から見た中国民主化の現状」という問題を考えてみたい。中国の首都で毎年開催される政治のお祭りがどのように運営され、何がどう議論されているのかを検証することは、本連載の核心である「中国民主化」を考察する上でひとつのケーススタディになると考えるからである。

 なお、本稿は「両会」を通じて提起・審議された政策や問題を具体的に検証することを目的とするものではなく、あくまでも「両会」という中国独自の政治システム(或いは枠組み)がどう機能していて、それが「中国民主化」という命題にどのようなインプリケーションをもたらすのかを考察するものである。

形骸化しているうえに
現状と乖離した全人代の職権

 全人代から見ていこう。

 全国人民代表大会は形式的には日本の国会に相当し、中国では“最高国家権力機関”と言われる。

 中華人民共和国憲法第一章第三条には「中華人民共和国の国家機構は民主集中制の原則を実行している。全国人民代表大会と地方各レベルにおける人民代表大会は共に民主選挙によって誕生し、人民に責任を持ち、人民の監督を受ける。また、国家行政機関、司法機関、検察機関は一律に人民代表大会から産まれ、全人代に責任を持ち、全人代の監督を受ける」と記してある。

 全人代の“機構職責”の欄には、以下のような“職権”を行使するとある。

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加藤嘉一 

1984年生まれ。静岡県函南町出身。山梨学院大学附属高等学校卒業後、2003年、北京大学へ留学。同大学国際関係学院大学院修士課程修了。北京大学研究員、復旦大学新聞学院講座学者、慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)を経て、2012年8月に渡米。ハーバード大学フェロー(2012~2014年)、ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院客員研究員(2014〜2015年)を務めたのち、現在は北京を拠点に研究・発信を続ける。米『ニューヨーク・タイムズ』中国語版コラムニスト。日本語での単著に、『中国民主化研究』『われ日本海の橋とならん』(以上、ダイヤモンド社)、『たった独りの外交録』(晶文社)、『脱・中国論』(日経BP社)などがある。

 


加藤嘉一「中国民主化研究」揺れる巨人は何処へ

21世紀最大の“謎”ともいえる中国の台頭。そして、そこに内包される民主化とは――。本連載では、私たちが陥りがちな中国の民主化に対して抱く“希望的観測”や“制度的優越感”を可能な限り排除し、「そもそも中国が民主化するとはどういうことなのか?」という根本的難題、或いは定義の部分に向き合うために、不可欠だと思われるパズルのピースを提示していく。また、中国・中国人が“いま”から“これから”へと自らを運営していくうえで向き合わざるを得ないであろうリスク、克服しなければならないであろう課題、乗り越えなければならないであろう歴史観などを検証していく。さらに、最近本格的に発足した習近平・李克強政権の行方や、中国共産党の在り方そのものにも光を当てていく。なお、本連載は中国が民主化することを前提に進められるものでもなければ、民主化へ向けたロードマップを具体的に提示するものではない。

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