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「引きこもり」するオトナたち

やる気のある人の出鼻をくじき追いつめる
引きこもり支援“たらい回し”の現実

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第192回】

 深刻な状況に陥っているにもかかわらず、公的な目的のハードルに自らを合わせられないため、支援が受けられずにいる人は少なくない。

 そのため、税金が投入されている公的な支援であっても、支援団体等の設計思想に合わなくなって、離脱していく人たちがいる。

 こうして「もうこれ以上、傷つけられたくない」からと、支援の仕組みから一旦こぼれ落ちると、長期にわたる引きこもり状態に入って、地域に埋もれていった人たちを筆者は何人も知っている。

なんの力にもなってくれない役所、支援団体
30歳代の男性が受けた“たらい回し”

 「自分がうつ病になったのは、会社に行く以外は引きこもっていて、ストレスのはけ口が皆無だったからだと思います」

 そう語る30歳代の男性は、高校時代から対人恐怖や赤面恐怖に悩み、会社に入社するものの、うつ病と言われて数年で退職。高校時代から含めると、ずっと長い間、引きこもり状態が続いているという。

 また、親に状況を訴えても理解はなく、家の外には、どこにも相談しようとしなかった。

 そこで、男性は退職後、役所が開設する「ひきこもりサポートネット」に自ら相談。そのサポートネットの担当者に紹介され、福祉課や支援団体などに連絡した。しかし、「たらい回しや冷たい対応、高額な請求等で、結局、何の力にもなってくれませんでした」と明かす。

 その後、いろいろ調べたところ、「ひきこもり地域支援センター」という国の相談機関があることを知った。

 そこで、同センターに行って状況を相談。紹介された病院に通い始め、「外出が怖い」「食欲がない」「眠れない」「元気が出ない」などの症状を訴えたものの、こんな対応を受けた。

 「病院の先生に処方ミスをされ、SOSの電話も煙たがられるようになりました」。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

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