いま、湾岸の商業施設がますます熱くなっています。主役は「ららぽーとTOKYO-BAY」と、本連載第14回でも取り上げた「イオンモール幕張新都心」。今回は、イオンモールオープンに先立ってリニューアルを進めてきた「ららぽーとTOKYO-BAY」を取り上げます。

「イオンモール幕張新都心」は、2013年12月のオープン以来、連日来店客で賑わっています。なぜイオングループは、海浜幕張駅近くに日本でもトップクラスの規模を持つSC(ショッピングセンター)を開発したのでしょうか。

 イオングループ本社があることが理由のひとつではありますが、もうひとつの理由は、毎年2000万人以上の来店客で賑わってきた「ららぽーとTOKYO-BAY」が半径5キロ圏内にあるからです。

ららぽーとTOKYO-BAYは、<br />なぜここまでのリニューアルに取り組むのか?ららぽーとTOKYO-BAY

 ららぽーとは13年11月に第1弾リニューアルオープンをしました。そして、14年3~5月にかけては第2弾リニューアルオープン中です。

 駅をひとつはさんだ湾岸地区にみられる、巨大SC同士の隣接競合。しかし、その店舗戦略には明確な違いがあるのです。今回は、ららぽーとのリニューアルを通じて両者の戦略の違いや、大型SC開発の実状に迫ります。

好調が続くイオン幕張新都心と
ららぽーと TOKYO-BAY

 まず、「イオンモール幕張新都心」についておさらいしましょう。

 4棟のライフスタイルモールで構成されたており、敷地面積としては国内トップクラスの約19万2000m2を誇る大型商業施設です。13年12月のグランドオープン時には約7000人の行列ができ、直後の3連休には約45万人が来場しました。今でも週末は10万人を超える来店客があることから、都心型百貨店の入店客数をも上回る商業施設として認知され始めたと言えます(参照:「岩崎剛幸、新店ウォッチ!! 第14回」)。

 一方、「ららぽーとTOKYO-BAY」は西館を建て替え、13年11月末にグランドオープン。旧称「ららぽーと船橋ショッピングセンター」は、ダイエー・そごう・専門店街で成り立つ2核1モールで、日本における本格的な大規模SCの先駆けとして1981年に誕生しました。