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企業と消費者の騒乱招いた
消費増税という「春の嵐」

週刊ダイヤモンド編集部
2014年4月14日
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1997年4月以来、17年ぶりとなった消費増税。直前まで対応に大わらわとなった企業の姿と、万全を期していたはずのシステム更新作業などで、トラブルが相次いだ現場の混乱ぶりを追った。

 「申し訳ありません。20日に、いったん家の鍵をお渡ししたいのですが」

 「完了検査の手続きは大丈夫なんでしょうか」

 「実際はしない人も多いので、問題ありませんよ」

 3月以降、こうした住宅の引き渡しにおける顧客と業者との間のやりとりをめぐって、実は全国でトラブルが相次いでいる。

 背景にあるのは、4月1日の消費増税だ。住宅の購入は、昨年9月末までの契約であれば、4月以降の引き渡しであっても税率は5%のまま。だが、昨年10月以降の契約の場合、3月末までに引き渡しが完了しなければ、税率は8%になってしまう。

 業者側が3月末までの引き渡しを条件に契約していた場合、建築の遅れによって余計に発生する3%分の負担は、通常は業者側が負うことになる。

 冒頭のやりとりは、業者が余計な負担を回避しようと、書類上だけでも建築が完了し3月までに引き渡したことにするために、顧客に鍵をいったん手渡し、代金を振り込ませようとしたケースだ。

 本来、住宅を顧客に引き渡すときは、建築基準法に基づき、役所や指定機関による建築の「完了検査」などが事前に必要となる。

 しかし、業者側はその手続きをあたかも不要のように説明し、顧客が知らぬ間に放置したことで、後日役所から「必要な申請が来ていない」と指摘を受け、問題が表面化しているのだ。

 では、なぜそれほどまでに住宅建築の遅延が発生しているのか。要因は大きく三つある。(1)想定を超える駆け込み需要(2)慢性的な職人不足(3)建築資材の不足──だ。さらに今回は、寒波と大雪が追い打ちをかけた。

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