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山崎元のマルチスコープ

確定拠出年金、
理想の運用商品ラインナップを考える

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第326回】 2014年4月23日
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資金としての
確定拠出年金の条件

 爆発的とまでは言い難いが、確定拠出年金の普及が進んでいる。NTTグループが今年の4月1日から、退職年金制度(NTTグループ規約型企業年金制度)を確定拠出年金制度に移行するなど、導入企業が拡がっている。

 筆者の個人的な意見としては、個人型の確定拠出年金がもっと充実し、普及するのが望ましいと思うが、現行の制度では企業単位で普及する方が現実的なのだろう。今回は、確定拠出年金を導入した企業が、どのような運用商品のラインナップをつくるのがいいかを考えてみたい。

 まず、確定拠出年金の資金の性質を考える。

 確定拠出年金の資金は、一方では加入者にとって老後の生活に備える特に心理的に大事なお金で、手堅く運用したい。だが他方では、各社が確定拠出年金制度に想定する運用利回りを考えると、元本を確実に確保するような商品の利回りでは、確実に大きな不足が生じるケースがほとんどだ。

 特に、これまでの確定給付年金から移行した場合や、確定給付の年金と比較される場合、そもそも確定拠出年金の想定利回りは劣ることが多いが、1.5%、2%といった低めの想定利回りを達成するためにも、定期預金や元本確保型の保険などでは利回りが不足する。

 しばしばありがちだが、加入者の資産が元本確保型の商品にじっと滞留する状況は、多くの場合好ましくない。しかし、リスクのある運用商品を揃えると、運用商品に関する十分な情報提供と投資教育が必要になる。十分な情報提供ができるかどうかという点は、重要なポイントだ。

 もう一歩進めると、加入者個人の資産運用にとって、確定拠出年金は「運用資産全体の一部分」であることが重要だ。加入者は、確定拠出年金「だけ」を見ているのでは不十分だし、制度を十分に活かしているとは言い難い。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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