日本には2800万人もの腰痛患者がいるといいます。さらに驚いたことに、そのほとんどが原因不明なのだとか。これでは完治させるのは難しそうですね。しかし、このたび新著『1回3分! 1人で治せる どこでも腰痛体操』を出した医師・銅冶英雄氏は、腰痛の原因を知らなくても簡単な体操をするだけで根本治療は十分に可能だと主張します。ダチョウ倶楽部のリーダー・肥後克広さんのベストセラー『あきらめない腰痛』でも監修を務めた銅冶氏が勧める「どこでも腰痛体操」とは何か? 本連載でご紹介していきます!

根拠のない腰痛治療

 およそ日本人の8割が一生のうちで一度は腰痛を患うと言われています。読者の皆さんのなかにも、長年の腰痛に悩んでいる方は多くいらっしゃることでしょう。

 2013年3月24日「朝日新聞」の一面トップに腰痛についての記事が載りましたが、そこにも現在腰痛を患っている方が全国で2800万人もいて、40~60代ではその割合が4割にもなると記されていました。

腰痛をあきらめず、<br />正しい体操で根本から治そう!銅冶英雄(どうや・ひでお)
お茶の水整形外科機能リハビリテーションクリニック院長。医師、医学博士、米国公認足装具士、日本整形外科学会専門医、日本リハビリテーション医学会専門医、日本リウマチ学会専門医。1994年に日本医科大学卒業後、千葉大学大学院にて2004年国際腰椎学会日本支部賞、2005年国際腰椎学会・学会賞を受賞。2008年王立パース病院ベットブルック脊椎ユニットに留学を経て、2010年にお茶の水整形外科クリニックを開院。 訳書に『自分で治せる!腰痛改善マニュアル』など。最近ではダチョウ倶楽部の肥後克広氏を被験者とし銅冶氏が監修を務めた『あきらめない腰痛』が好評を博している。

 さらにその記事が世間を騒がせたのは、腰痛のほとんどが原因不明だという事実です。腰痛患者の立場からすると、とにかくいまの痛みをなんとかしてほしいというのが切実な願いでしょう。しかし実際には、病院でも原因がよくわからないままに根拠の乏しい治療を行っているわけです。

 腰痛に悩み近所の整形外科を受診したところ、以下のような治療を受けたという方は多いのではないでしょうか。まずはレントゲンを撮り、その後、腰を引っ張る牽引や腰を温める治療、電気を当てる治療などを行い、最後に痛み止めと湿布薬を処方される。そして電気を当てにこれからも通院するように指示される──これが多くの病院で行われている一般的な治療法です。

 このように病院で治療が行われているにもかかわらず、いまだに3000万人近い人々が腰痛に悩まされているのです。はたして、こういった治療法にどれだけ効果があるものなのでしょうか。