ダイヤモンド社のビジネス情報サイト

“上手くいき過ぎ”米中関係の片棒を担ぐのは?
オバマ大統領来日を機に認識すべき課題と戦略

加藤嘉一
2014年4月24日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

岐路に立つ米中関係

かとう・よしかず
1984年静岡県生まれ。日本語、中国語、英語で執筆・発信する国際コラムニスト。2003年高校卒業後単身で北京大学留学。同大学国際関係学院大学院修士課程修了。学業の傍ら、中国メディアでコラムニスト・コメンテーターとして活躍。中国語による単著・共著・訳著は10冊以上。日本では『われ日本海の橋とならん』(ダイヤモンド社)、『いま中国人は何を考えているのか』(日経プレミアシリーズ)、『脱・中国論―日本人が中国と上手く付き合うための56のテーゼ』(日経BP社)などを出版。2010年、中国の発展に貢献した人物に贈られる「時代騎士賞」を受賞。中国版ツイッター(新浪微博)のフォロワー数は150万以上。2012年2月、9年間過ごした北京を離れ上海復旦大学新聞学院にて講座学者として半年間教鞭をとり、その後渡米、ハーバード大学ケネディースクールフェローに就任。現在はハーバード大学アジアセンターフェローとして中国問題や米中関係の政策研究に取り組む。米ニューヨーク・タイムズ中国語版コラムニスト。世界経済フォーラムGlobal Shapers Community(GSC)メンバー。趣味はマラソン。座右の銘は「流した汗は嘘をつかない」。 
Photo by Kazutoshi Sumitomo

 「ミスター習近平は“新型大国関係”(A new model of great power relationship)というものを米国側に訴えてきている。中国側は我々が彼らの核心的利益を重んじるように意図していて、かつアジア太平洋地域を分割統治しようと持ちかけてきている。米国はこの主張を受け入れない。我々はあくまでも米中両国が違いを認識しつつ、マネージメントという観点から共通の利益を巡って協力し合っていこうというスタンスでいる。たとえば北朝鮮問題だ」

 バラク・オバマ米大統領訪日前夜、ホワイトハウスの東アジア政策に関わる関係者が、筆者や同席者に対してオフレコという前提でこう語った。

 米中関係は岐路に立っている。

 2013年6月、共に前年11月に国家の為政者として国家政治を引っ張っていくことが決まったオバマ大統領と習近平国家主席が、米カリフォルニア州にある避暑地サニーランドで非公式に会談した。これから世界で最も重大且つ複雑な外交関係をマネージしていく上で個人的な信頼関係を構築し、いま現在の関心や心境を巡ってざっくばらんに話し合うことが目的とされた。

 筆者も訪れたことがあるが、周りに何もない殺風景な場所にサニーランドはポツンと建っている。入り口から敷地内に入ってみると、綺麗に整備された、広大で、少しだけ起伏のある新緑のゴルフ場が一面に広がっていた。アメリカで学ぶ中国人学生がインターシップとして受付を担当していた。オバマ・習近平会談以来、参観に訪れる中国人観光客が後を絶たないという。

米国を横目に“時間稼ぎ”する中国
フラストレーションをためる米国

 オバマ・習近平会談が行われた日に現地で勤務していた若い男性スタッフは「プレジデント・オバマとミスター習近平はスマイルを絶やさずに、リラックスして話し合っていたよ。あとは習近平氏のファーストレディーの風貌と存在感が印象的だった」と筆者に語った。

 ファーストレディーとは中国で全国的に有名な軍人歌手の彭麗媛のことである。習近平夫妻は3月21日から1週間にわたって実母・愛娘同伴で中国を訪問したミッシェル夫人を盛大に出迎えている。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

加藤嘉一 

1984年生まれ。静岡県函南町出身。山梨学院大学附属高等学校卒業後、2003年、北京大学へ留学。同大学国際関係学院大学院修士課程修了。北京大学研究員、復旦大学新聞学院講座学者、慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)を経て、2012年8月に渡米。ハーバード大学フェロー(2012~2014年)、ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院客員研究員(2014〜2015年)を務めたのち、現在は北京を拠点に研究・発信を続ける。米『ニューヨーク・タイムズ』中国語版コラムニスト。日本語での単著に、『中国民主化研究』『われ日本海の橋とならん』(以上、ダイヤモンド社)、『たった独りの外交録』(晶文社)、『脱・中国論』(日経BP社)などがある。

 


DOL特別レポート

内外の政治や経済、産業、社会問題に及ぶ幅広いテーマを斬新な視点で分析する、取材レポートおよび識者・専門家による特別寄稿。

「DOL特別レポート」

⇒バックナンバー一覧