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田中秀征 政権ウォッチ

日米韓首脳会談がもたらした“大きな成果”

田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]
【第226回】 2014年3月27日
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 日米韓首脳会談が26日未明(日本時間)、オランダのハーグで実現した。これは「未来志向の日韓関係に発展させていく第一歩」(安倍晋三首相)として大きな成果を収めたと言ってよい。

 これに合わせたかのように、北朝鮮は、飛距離約650キロと言われる中距離弾道ミサイル“ノドン”2発を日本海に向けて発射。3国首脳会談に強く反発し、牽制したと見られる。

 しかし、皮肉なことに北朝鮮のこの暴挙は、今回の首脳会談による3国の連携強化が北朝鮮にとって大きな脅威であることをあらためて示してしまった。

 また、戦々恐々として会談に臨んだ感がある朴槿惠韓国大統領にとっては、ある意味で絶好の援護射撃のようにもなったであろう。北朝鮮の脅威が現実味を帯びれば、韓国内も3国の結束を優先させる人が多くなるはずだからである。

 “暴挙”が3国の結束を強く促すという逆効果をもたらしたことに、北朝鮮指導者の幼稚さが端的に表れている。

中韓との関係悪化を避けるため
日本が守るべき4つの原則

 さて、日本のメディアの論調には、朴大統領の言動を揶揄するものも散見される。「握手を拒否した」、「視線を合わさない」という類いのことをことさら強調するものだ。朴氏は「3ヵ国間の協調が大事な時に、オバマ、安倍両氏と意見交換の機会を得て意義深い」と明言し、歴史認識にも触れなかった。彼女としてはこれが精一杯だったと思えば、こまかい所作をあげつらうまでもないだろう。

 それよりも「朴大統領、お会いできてうれしく思います」と笑顔で韓国語で呼びかけ、終始大統領を受け入れる態度を示した安倍首相を高く評価すればよい。

 今後も日本は中国や韓国などに対し、公的立場にある人が①相手の挑発に乗らない、②相手を挑発しない。それによって③国際世論の支持を受けて事態を乗り切る、という原則を貫くことが望ましい。

 そして、④明らかな主権侵害があれば、毅然としてそれを排除する。そう対応すれば、アジア諸国も国際社会も必ず日本を理解し日本の側に立つだろう。

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田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]

1940年長野県生まれ。東京大学文学部、北海道大学法学部卒業。
83年、衆議院議員初当選。93年6月、新党さきがけ結成、代表代行。
細川政権発足時、首相特別補佐。第一次橋本内閣、経済企画庁長官。
現在、福山大学客員教授、「民権塾」塾長。


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かつて首相特別補佐として細川政権を支えた田中秀征が、期待と不安に溢れた現政権の動向を鋭く斬り込む週刊コラム。刻一刻と動く政局をウォッチしていく。

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