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子どもがネットで犯罪やいじめに遭う前に――秋田県が官民協働で取り組む子どものネットリテラシー養成

石島照代 [ジャーナリスト]
【第51回】 2014年5月1日
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子どもが関係するネットがらみの重大事件が後を絶たない。たとえば、昨年末には携帯ゲーム機を使って裸を撮影され、ネット機能を使いデータをやりとりされたとされる小学生男児の両親が、撮影した同級生らの保護者を相手取り慰謝料1000万円を求める訴訟も発生した。ネットリテラシーの問題は別の現実問題、いじめや脅迫、名誉毀損などを内包して発生することが多く、子どもに対するネットリテラシーの養成は喫緊の課題である。この問題に対して、秋田県は生涯学習・社会教育の観点から自立・自律するネットユーザー養成に取り組んでいる。(取材・文・撮影/ジャーナリスト 石島照代)

ネットリテラシー育成は
学校・家庭・地域社会全体で取り組むべき問題

 秋田県は、毎年「全国学力・学習状況調査」の上位に名を連ねることから、学力優秀県として知られる。その秋田県教育委員会が平成25年度から、子どもたちのための安全で安心なインターネット利用環境を整える「大人が支える!インターネットセーフティの推進」に取り組んでいる。

森川勝栄・社会教育主事(秋田県教育庁生涯学習課社会教育班)

 通常、ネットリテラシー教育は「子ども単体」の問題として捉えられがちだが、今回の施策は「生涯学習・社会教育」の観点から捉えているという点で興味深い。その理由について、秋田県教育庁生涯学習課社会教育班の森川勝栄・社会教育主事は次のように説明する。

 「秋田県教育委員会が平成24年度に行った『家庭教育に関する調査』の結果から、保護者の多くが、子どものインターネット利用に関する問題について、なかなか子どもと向き合えないでいる状況が見受けられました。そこで、この問題を家庭教育の今日的課題と捉え、生涯学習・社会教育の観点から、家庭教育支援事業として実践することがふさわしいと判断しました。

 ネット上であっても、もしお子さんが問題を起こした場合、責任を取るのは、他の問題と同じように保護者の皆さんですので、ネットリテラシー教育を子どもだけの問題として捉えるのではなく、家庭や地域で子どもをバックアップできるような仕組みづくりが必要になると考えました」

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石島照代 [ジャーナリスト]

1972年生まれ。早稲田大学教育学部教育心理学専修を経て、東京大学大学院教育学研究科修士課程在籍中。1999年からゲーム業界ウォッチャーとしての活動を始める。著書に『ゲーム業界の歩き方』(ダイヤモンド社刊)。「コンテンツの配信元もユーザーも、社会的にサステナブルである方法」を検討するために、ゲーム業界サイドだけでなく、ユーザー育成に関わる、教育と社会的養護(児童福祉)の視点からの取材も行う。Photo by 岡村夏林

 


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ゲームソフトをゲーム専用機だけで遊ぶ時代は終わった。ゲーム機を飛び出し、“コンテンツ”のひとつとしてゲームソフトがあらゆる端末で活躍する時代の、デジタルエンターテインメントコンテンツビジネスの行方を追う。

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