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編集者が語る『兵法三十六計の戦略思考』

中国の兵法書の奥義にビジネスの戦術パターンを学ぶ

【第35回】 2008年10月8日
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兵法三十六計の戦略思考-競合を出し抜く不戦必勝の知謀
『兵法三十六計の戦略思考-競合を出し抜く不戦必勝の知謀』 カイハン・クリッペンドルフ[著]辻谷一美[訳]定価2520円(税込)

 『兵法三十六計』といっても、一般には、「三十六計逃げるに如かず」のことわざに出てくるあれかなと思われる方がほとんどかもしれない。

 実はこの『兵法三十六計』は、中国では『孫子の兵法』と並び称される兵法の奥義として古くから知られてきた。『孫子』が孫子一人の手になるものであるのに対し、『兵法三十六計』には多数の軍人が関わっているという違いはある。また、『孫子』が、軍事的な理念や規律を重視するのに対し、『兵法三十六計』は、戦術の実行面や行動そのものを主眼としている。

 戦術書は、こうした場面ではこうすべきであると説くのが普通であるが、『兵法三十六計』は、こうした場面ではこうする方法もあるし、ああする方法もあるといくつかの選択肢を示す。なかには相矛盾する記述もあるが、それが逆に、現実の戦の難しさを反映しており、人をひきつける魅力ともなってきた。

 戦略コンサルタントである著者が『兵法三十六計』に興味をもったのも、それが西洋的な「べき論」にもとづく戦略書ではなく、状況に応じて幾通りもの戦術を提案する融通無碍の姿勢があったからである。著者はここに、企業の創造的な戦術を考案するうえでのヒントを見出したという。

 本書では、中国の戦国時代に端を発する戦術論と現代の企業戦略とが見事にマッチしている。『兵法三十六計』とは具体的には36の戦術について解説したものだが、各戦術すべてについて、関連する企業事例と中国の史実を紹介し、しかも生き生きとしたタッチで描いている。

 紹介されている企業事例の多くは、コカ・コーラやマイクロソフトなど世界的に知られている企業のケースであり、日本の読者になじみやすいものになっている。この戦術が、こんなふうに今でも使われているのかという驚きがある。さらに、各戦術の効果を視覚的に表現した図解が示されており、読者が直感的に、より深く戦術を理解する助けとなっている。

 著者いわく、本書は「読む」ために書かれたものではなく、「使う」ために書かれたものである。本書に取り上げられた様々な戦術パターンを、ぜひビジネスに応用していただきたい。

(編集担当・中嶋秀喜)


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