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岸博幸のクリエイティブ国富論

なぜ東京都の国家戦略特区は9区だけ?
批判に対する舛添知事の反論は正しいか

岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]
【第264回】 2014年5月16日
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 アベノミスクの成長戦略の目玉である国家戦略特区について、対象地域に指定された東京都の提案は出来がイマイチとメディアでも批判されていますが、これに対して舛添知事がネット上で反論をしています。

 しかし、これを読むとどうも言い訳ばかりで、舛添知事はやはり改革を行なう気はないんだと思わざるを得ません。

都と区の調整なき地域指定

 国家戦略特区に指定されるに当たって、東京都の提案は、東京の全域ではなく23区のうちの9区だけという狭いエリアを対象としていることが未だに問題視されていますが、この点について舛添知事は以下のように反論しています。

 「特区の地域について、東京都はとりあえず23区中の9区を指定したが、「東京都全域を指定しないのはけしからん」と、先の学者たちは言う。彼らは、東京都の地理を知っているのであろうか。
 (中略)
 どの地域であれ、地元の要望がまとまり、規制緩和によって、それを実現しようという合意が形成されれば、既存の9区に、他の区や市町村も付け加えていく方針である」

 この反論は一見もっともらしいのですが、実際は地域を9区に限定した理由は何も明示していません。

 どうやら、特区の提案を国に提出するに際して都は区としっかり調整を行なわず、都の官僚が民主党政権時代の総合特区の枠組みの下で民間企業が再開発を進めようとしている地域だけを選んだとしか考えられないのに、さも都の側が正しくて批判はおかしいと強弁するのはいかがなものかと思います。

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岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]

1986年通商産業省(現経済産業省)入省。1992年コロンビア大学ビジネススクールでMBAを取得後、通産省に復職。内閣官房IT担当室などを経て竹中平蔵大臣の秘書官に就任。不良債権処理、郵政民営化、通信・放送改革など構造改革の立案・実行に関わる。2004年から慶応大学助教授を兼任。2006年、経産省退職。2007年から現職。現在はエイベックス・マーケティング株式会社取締役、エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社顧問も務める。

 


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