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野口悠紀雄 未曾有の経済危機を読む

物価下落の実態は相対価格の変動
真に危惧すべきはデフレよりインフレである!

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第45回】 2009年11月14日
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 消費者物価は、2008年には上昇したが、09年になって下落した。9月の全国指数は、対前年同月比2.2%の下落となっている。

 この状況は、一般にデフレと言われる。そして、「デフレが続く限り経済活動は活発化しないので、ここから脱却する必要がある」と主張されることが多い。

 以下では、こうした見解が誤りであることを指摘したい。

 まず注目すべきは、以下で見るように、構成項目によって価格動向には大きな差があることだ。教科書的な意味の「デフレ」とは、すべての財・サービスが一様に低下することである。つまり、相対価格は不変で絶対価格が下落する状況が、「デフレ」である。しかし、現在生じている物価下落は、これとは異なるものだ。

 こうした区別がなぜ必要かと言えば、必要な対応が異なるからである。デフレは、貨幣供給量が過小であるなどのマクロ経済的要因によって引き起こされる。したがって、それに対処するには、貨幣供給量の増大などのマクロ政策が必要だ。それに対して、相対価格が変化する場合に必要なのは、経済行動を変えることである。相対価格の変化を伴う物価動向の変化は、食い止めるべきものではなく、利用すべきものなのである。

最近の物価下落は、
耐久消費財とエネルギー価格の下落による

 最近の消費者物価の動向は、【図表1】に示すとおりである。

 

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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