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アベノミクス成長戦略の一環、
「プロ野球16球団」構想は果たして実現可能か

相沢光一 [スポーツライター]
【第300回】 2014年5月27日
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 21日、自民党・日本経済再生本部がまとめた成長戦略第2次提言案に、プロ野球球団を新たに4球団増やし16球団にするという案が含まれていることが明らかになった。

 そこには新球団をつくる具体的な候補地(北信越、静岡、四国、沖縄)があげられているうえ、セ・パの各8チームを東と西4チームずつ分け、メジャー流に各地区の1位がプレーオフを行い、その勝者が日本シリーズで対戦するという構想まであるという。すぐにでも実現に向けて動き出しそうな勢いだ。

 こうした案があることは以前から、ささやかれていた。火付け役となったのは今回の候補地のひとつになっている静岡市だ。同市の市長が地元の子どもたちに夢を与えることを目的にプロ野球球団創設を提言し、その予算として数千万円を計上した。1球団だけ創設してもリーグに参入するのは難しいため、他の地域にも呼びかけ、4球団創設案が生まれたというわけだ。今回の提言案は、静岡市の案に政府が乗ったものといっていい。

Jリーグの成功を横目に立案?
意図はわからないでもないが

 成長戦略に地域活性化は不可欠であり、そのために、プロ野球球団がなかった地域(独立リーグがあるところもあるが)に球団をつくる意図はわからないわけではない。

 1993年に10クラブでスタートしたJリーグは、それまでになかった地域密着運営でファンの支持を得て成功。現在ではJ1=18、J2=22、J3=11の計51クラブにまで成長した。Jクラブは36都道府県に存在し、近い将来、全47都道府県にJクラブが揃うこともあり得る。

 プロ野球は球団が首都圏や近畿圏の大都市に集中し、地域を意識した運営をしてこなかったが、福岡ソフトバンクや北海道日本ハムが地域密着の方向性を打ち出して多くの地元ファン獲得に成功。他の球団も企業名だけでなく地域名をチームに入れるなどして、地域性を打ち出すようになっている。政府はゼロから立ち上げたJリーグでさえ成功したのだから、プロ野球なら各地域にそれとは別の大きなニーズを掘り起こせると考えたのだろう。

 また、セ・パ両リーグを東西の4チームずつに分ける方式は現行のプレーオフに対するファンの不満を解消することになるという読みもあるのだろう。現行のプレーオフはご存じの通り、3位までがクライマックスシリーズに進出する方式。リーグの3位でも短期決戦に強ければ日本一になる可能性があるわけで、それではペナントレースの144試合は何のためにあるのか、という不満がくすぶっている。この問題も球団拡張→東西地区プレーオフ方式なら、すっきりするわけだ。

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相沢光一 [スポーツライター]

1956年埼玉県生まれ。野球、サッカーはもとより、マスコミに取り上げられる機会が少ないスポーツも地道に取材。そのためオリンピックイヤーは忙しくなる。著書にはアメリカンフットボールのチーム作りを描いた『勝利者』などがある。高校スポーツの競技別・県別ランキングをデータベース化したホームページも運営。 「高校スポーツウルトラランキング」


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