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「すき家騒動」の教訓は何か?

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第332回】 2014年6月4日
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話題に上ったすき屋の労働環境
夜中の1人オペレーションの是非

 牛丼チェーン「すき家」の労働環境が、最近しばしば話題になっている。真偽はともかくとして、もともとチェーンの牛丼屋の中で強盗の被害に遭う件数は、すき家が突出して多かったと言われている。

 理由は、すき家では、夜中に1人だけに一店舗のオペレーションを任せるケースが多く、このことが加害者側の間にもよく知られており、こうした店が集中的に狙われたのではないかと推測されている。

 すき家を運営する株式会社ゼンショーホールディングスは、もちろん、1人だけに店を任せない方法も検討しただろう。しかし、現在までに夜中に1人のオペレーションになる店舗は解消されていない。

 これは、来客数、人件費などと、強盗被害の頻度や損失の期待値などを天秤にかけて、経営層が合理的だと思う判断をした結果なのだろう。あるいは、夜中のオペレーションを1人に任せる形が、これまで有効なコスト削減策だったとの成功体験があるのかもしれない。

 しかし、その後の経緯から見ると、働く側に「すき家はキツイ」「ブラックだ」といった評判が拡がる原因になったように思われる。そして、労働市場の需給が労働側から見て改善したことで、こうした悪評の影響は強く現れるようになった。

 もともと、1人オペレーションに象徴される仕事の危険や孤独感と、おそらくは労働のキツさに加えて、近年の牛丼業界のヒット商品であるすき焼き鍋定食をすき家でも提供しようとしたことが、アルバイトの多い店員に新たに負荷をかけた。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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