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経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

「新成長戦略」と「骨太の方針」の閣議決定を控えて
~焦点は4つ、期待は1つ~
――森田京平・バークレイズ証券チーフエコノミスト

森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト],熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト],高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]
【第139回】 2014年6月18日
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今月末頃の閣議決定:
焦点は4つ、期待は1つ

 安倍政権は今月末ごろに「新成長戦略」と「骨太の方針」を閣議決定する方向にある。成長戦略の議論は極めて多岐にわたるため、焦点がぼやけるリスクが付きまとう。

 しかし、市場参加者の観点からは、当面の成長戦略や構造改革に対する注目点は①法人税、②労働市場改革、③年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)などの公的年金改革、④国家戦略特区を通じた規制緩和、の4点に絞ってよいであろう。

 ただし今月末の閣議決定に限れば、市場にとって具体的な議論の対象になると期待されるのは「法人税」に限られそうだ。

法人税:3つの視点

 法人税については、①税率の引き下げ幅、②税率の引き下げスピード、③課税対象の拡大、という3つの視点がある。

 このうち「税率の引き下げ幅」については、(1)国税と地方税のバランス、(2)消費税率と法人税実効税率のバランス、という2つのバランスを踏まえる必要がある。

法人課税における国税と地方税のバランス:
連邦国家の米国・ドイツ vs 連邦国家ではない日本

 まず、国税と地方税のバランスを見ておこう。日本では、国による法人課税(法人税)と地方政府による法人課税(法人事業税と法人住民税:「地方法人二税」と呼ばれる)がある。

 地方政府による法人課税を含めたいわゆる「法人税実効税率」を、国税と地方税に分けて他国と比べると、(1)地方政府による法人課税は決して一般的ではないこと、(2)地方政府が10%前後の高い税率で法人に課税する国は主要国では日本、米国、ドイツに限られること、などが見えてくる(図表1参照)。

注:1.日本は東京都、米国はカリフォルニア州
  2.2013年1月時点
出所:財務省資料よりバークレイズ証券作成
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森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト]

もりた・きょうへい/1994年九州大学卒業、野村総研入社。98年~2000年米ブラウン大学大学院に留学し、経済学修士号を取得。その後、英国野村総研ヨーロッパ、野村證券金融経済研究所経済調査部を経て、08年バークレイズ・キャピタル証券入社。日本経済および金融・財政政策の分析・予測を担当。共著に『人口減少時代の資産形成』(東洋経済新報社)など。2010年7月より、参議院予算委員会内に設置された「財政再建に向けた中長期展望に関する研究会」の委員を務めている。

 

熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]

くまの・ひでお/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト。 山口県出身。1990年横浜国立大学経済学部卒。90年日本銀行入行。2000年より第一生命経済研究所に勤務。主な著書に『バブルは別の顔をしてやってくる』(日本経済新聞出版社)など。

高田創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]

たかた はじめ/1958年生まれ。82年3月東京大学経済学部卒業、同年4月日本興業銀行入行、86年オックスフォード大学修士課程修了(開発経済学)、93年審査部、97年興銀証券投資戦略部、2000年みずほ証券市場営業グループ投資戦略部長、06年市場調査本部統括部長、チーフストラテジスト、08年グローバル・リサーチ本部金融市場調査部長、チーフストラテジスト、11年より現職。『銀行の戦略転換』『国債暴落』『金融市場の勝者』『金融社会主義』など著書も多い。


経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

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「経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層」

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